5 Vtuberって…そう。意外と難しい!(色々と)
や、やっと帰ってこれた……。
まさか下着を買いに行くだけのつもりが他の服屋にも行くなんて……。
それはもう長かった。多分3時間位は着せ替え人形だった気がする。でもそのおかげで色んなファッションが知れた。
そこだけは感謝感謝。ありがとう。
こんな事を考えてる場合じゃなくて、えーっとこの後は初配信かぁ……。
少しでも緊張をほぐすために他の方の初配信を見てよう。
まずはこの人。えーと、黒猫燦さん?あー!今人気のあるてま二期生の!これは期待!
僕はそんなことを考えながら再生ボタンを押した。
………はっ!今何時!?
そう思った僕は急いでスマホをホーム画面に戻す。
えーと……18時じゃん!!いつの間にか寝てた!失敗した!遅刻確定じゃん!
僕は急いでパソコンの方へ向かう。そしてパソコンを立ち上げて自分のチャンネルを開く。機材をセットして……◯witterですぐ始めます宣言をして……と。
[寝坊したあく!待っててくれた皆さんごめんなさいあく!今すぐ配信開始するあく!]
……やっぱり少し恥ずかしい……。って今はそんなこと気にしてる場合じゃなくて!
初配信の待機場所のリンク貼って……送信っと。
……うー。緊張するなぁ……。でもここまで来たからには止まる訳にはいかない、よね。
コメント
:来た!
:どんな子かな?
:始まった!
と、色んなコメントが流れる。
……よし!
『あ…あ、聞こえる?あく』
コメント
:取ってつけた様な語尾w
:決めた、推し
:お?
:聞こえるよー
良かった……。ちゃんと聞こえてるみたい。
『皆さん、遅刻、ごめんなさいあく……。わざとじゃないあくよ……』
コメント
:えらい
:可愛いから許す
:初手謝罪
『それじゃあ改めまして、黒沙他 絡奈あく。宜しくあくー!』
コメント
:意外と元気あるな
:よろしくー!
:可愛い
『今日の初配信は、事前に募集してたマシュマロを食べていくあく。……では1個目!なになに』[絡奈ちゃんデビューおめでとう!]『ありがとうあく〜』
コメント
:もう可愛い
:あ、俺のやつ
:↑おめでとう
[それで相談なのですが]『急あくね』[どうすれば女の子にモテますかね?]『はぁ!?』
何、このマシュマロは。
僕の初配信に関連するマロ送ってよ。ってかそれに関しては僕も知りたいよ。
コメント
:初手から変なマロ
:草
:気になる
『えーと……このマロはらくに訊かれても困るっていうか……』
コメント
:あまりの困惑に語尾が
:逆に絡奈ちゃんはどう思う?
:確かに
『強いて言って匂いかなぁ……』
コメント
:匂wいwかwなw
:何だその解答は?
:匂いフェチ!?
『いや、違うあくよ!?』
やっぱりネット人相手だとどうしても喋り方が変わっちゃうなぁ…。
まぁこれはこれでリアバレ防止になるからいっか。
コメント
:逆に聞くけど何フェチ?
:↑ナイス
『えー?フェチは無いあく。でもらく、重度のツインテールオタクあくよ』
コメント
:マジ!?
:俺も!
:ふーん
:でも見た目は…
『そうなのあく…。でもサイドテールでも凄く可愛いあくから、らくのこと推すあくよ!』
今更気にしてもねぇ……。
絵師さんにも失礼だしね。
『さてさて。そろそろマロの続きを食べていくあくよ!』[デビューおめでとうございます。 絡奈ちゃん、自己紹介しましたっけ?]『あ』
コメント
:あ
:あ
:やっちゃったねぇ
僕は無言で配信の画面上に、自己紹介やこれからはどんな配信をしていくか、配信タグなどの載っているメモを貼り付けた。
コメント
:おいw
:手抜くな
:まだパワポの方が丁寧
『さ、さぁて。次のマロにいくあくよー!あ、次で時間的に最後あくね』
コメント
:ゴリ押しwww
:やりやがった……
:むしろ快挙
:これって勲章ですよ?
[デビューおめです!ところで、桃ちゃんの配信見ました?]『ありがとうあく〜!……配信は見たあくよ。らくよりも慌ててて、ライバルとして大丈夫?って思ったあく』
なんて、調子に乗っていたら……。
コメント
:イキるなw
:《白天 桃/ばーちゃライブ二期生》えっと……
:本 人 降 臨
:桃ちゃん乱入w
え?本人!?
まだ顔合わせで電話くらいでしか喋ってないのに……。
『おっと、本人登場あくね。……雑魚天使!ここで宣言しておくあく!らくの方が全てにおいて上あく!悔しかったら今度の突発初コラボで、らくとの勝負に勝ってみるあく!ま、無理だと思うあくぅ〜』
思っても無いことをすらすらと言っちゃった……。
でもでも、桃さんもそこまで単純じゃないよね……。
こんなあからさまな挑発には乗らないよね。
コメント
: 《白天 桃/ばーちゃライブ二期生》良いですよ。受けて立ちます!その勝負!
あれ〜?
なんか、乗ってきちゃった……。
コメント
:ももらくてぇてぇ?
:楽しみ
:草
:待ってるわ
『楽しみにして待ってるあくよ!……それじゃあ初配信はここまで!おつあく〜!』
コメント
:おつあく〜
:おつあく!
終わりっと……。
いやぁ、終わった……。色んな意味で。
桃さんに謝らないといけないや……。
というかそれにしても、凄く緊張したぁ……。慣れそうにもないや……。
そう一人で考えていると、ドアのノック音が聞こえた。
多分我が妹だと思う。
そう思いながら返事をして、ドアを開けた。
「入って良いよ〜」
「初配信可愛かった!」
と我が妹は褒めてくれた。
褒められてるのに慣れてない僕はついつい照れてしまう。
なんかこそばゆいなぁ……。
「私はこれからもリスナーとして、"絡奈に仕える者達"して見守ってるからね!」
……いやそんな目を輝かせられても……。
「えーと、ありがとう。かな?」
「配信で汗かいたでしょ?夜ご飯より先に私と、お風呂、入ろっか!」
と、またもや目を輝かせて言う我が妹なのだった。
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