6 人間関係って…そう。めちゃくちゃ大事!
「ふぅ……」
なんとか箕来を振り切って1人でお風呂に入れた……。
Q.改めて初配信どうだった?
A.色々とやらかした。
そうなんだよ!色々と、ねぇ……。
例えば、同期にケンカ売ったこととか、同期にケンカ売ったこととか。
やっぱりまずかったよなぁ……。
でもあの後不安だったから、運営のV.Lさんに連絡を入れたら「問題ないですよ」って言われたから大丈夫だとは思うけど……。
それでも個人間の所はまだ大丈夫かどうかわかんないから、取り敢えず白天さんに連絡を入れよう。そして謝ろう……。
そう思ってスマホを手に取ろうとした瞬間。
プルルルルルと、僕がスマホを手に取るよりも早く着信音が鳴った。
誰からだろう……。
僕は恐る恐るスマホの画面を見る。そこに表示されていた名前は「白天 桃さん(不知火さん)」だった。
まさかの白天さん本人!?どどどどうしよう!きっと『よくもあれだけ煽ってくれましたね……?その上勝手にコラボの取り付けだなんて、わかってますよね?』って言われる気がする……!
でも、結局僕も謝ろうと思ってたから丁度良い機会なのかもしれない。
僕は意を決して電話に出た。
『あ、
下の名前呼び!?しかもちゃんさんって何…。
とにかく最初に謝っちゃおう……。
「は、はいその侑ちゃんさんです。ってそれよりも!初配信の時は本当にすいませんでした!なんか喧嘩腰みたいな感じで勝手にコラボ取り付けちゃってほんとにすいませんでした……」
『えっ。いやそんな謝られる様なことじゃないと言うか。というかそもそも今電話掛けた理由って、"コラボのお誘いありがとうございます"って言いたかったんですが……。』
……え、どういうこと?
「えっと……つまり、どういうことですか?」
僕の問いかけに、不知火さん(白天さん)は状況説明を始めてくれる。
『私は侑子ちゃんさんに、コラボのお誘いありがとうございますって言うために電話を掛けたんですよ。でも侑ちゃんさんはなぜか謝ったと。そんな感じです』
ってことは僕の早とちり!?
早とちりで勘違いしたまま不知火さん(白天さん)に謝っちゃったってこと!?
恥ずかしい……。
「そ、そういうことでしたか……。なんか早とちりで謝っちゃいました……」
『あ、あぁ別に気にしてないですし。大丈夫ですよ。……それよりも何度も言う様でアレなんですけど、コラボのお誘いありがとうございます!』
「いえいえ。こちらこそあんな突発的に、場を和ませる冗談的に言ったのに受けてもらえてありがとうございますですよ!」
一時はどうなるかと思ったけど、不知火さんが凄く優しくて助かった……。
『それで、どうします?』
「えっと、何がですか?」
『コラボ内容ですよ!……一回目からオフコラボにしましょうか』
「は?」
やばい。つい「は?」とか言っちゃった……。
『流石に冗談ですよ。一回目だから無難にマシュマロを読んでいくって言うので良いんじゃないですね?』
「そ、そうですね」
もしかして素の時でもからかってくるキャラ?
『後でマネージャー さんに確認してみますね』
「なんか何から何まですいません……」
凄く申し訳ないな……。
「……ぬぬ…………ぬぬぬ…………」
なんか部屋の外から聞こえる?
『あぁいえ、大丈夫ですよ。私が好きでやってるだけなのでお気になさらず。それに侑子ちゃんさんにはコラボのお誘いをしてもらったと言う恩がありますからn』
バンッ
そんな音と共に僕の部屋の扉が思い切り開かれた。
「誰!?私の侑子ちゃんとずーっと仲良さそうに喋ってるのは!?」
「え?」
『え?』
まさかの箕来だった。
「って何で入ってきてるの!いつも言ってるけど、入る時にはノックをしてって……!」
『怒るところそこじゃない気が……というか、誰ですか?』
「えっと……えっと……」
何て説明しよう……!?素直に家族ですって言っちゃうか?
なんて僕が1人で悩んでいると、
「侑子ちゃん!携帯貸して!」
箕来はそう言って僕の携帯を奪い取った。
箕来の顔は真っ赤だった。
「あなた誰ですか!?」
『それはこちらの台詞です』
凄く冷静だね不知火さん……。って、こんな事考えてる場合じゃないな。
「私は侑子ちゃんの姉の!」
と、僕はそこで箕来の話を遮った。
「ねぇ!」
「ひゃっ!な、何?侑子ちゃん」
箕来は呆然とした様子で僕に問う。
「今はやめて。僕、その人と大事な話をしてたの」
『そうです!』
ダメだこの人調子に乗りやすいタイプだ……。
「で、でも……」
「後でならいくらでも……とは言わないけどかまってあげるから」
「うぅ……。わかった……。けど、後で絶対かまってね!」
「うん」
箕来は案外大人しく引き下がって、携帯を返してくれた。
すると、不知火さんはようやく口を開いた。
『今のはお姉さんですか?』
「そうです……」
今は、だけど。
ほんとは僕が兄だ!
「僕の姉が迷惑を掛けてしまいすいません……」
『良いんですよ、侑子ちゃんさんが謝らなくて。……それよりもなんですか、アレ!侑子ちゃんさんにゾッコンじゃないですかお姉さん!』
と、声を荒げて言う不知火さん。
うん、僕もゾッコンすぎて困ってる。
僕が女の子になって凄く久しぶりに一緒にお風呂入った辺りから狂いだしたね……。
この状況、昔の僕なら喜んでそう……。まぁ僕って百合好きだったから。
でも流石に家族に欲情はしないと思う。……多分。
「そうなんですよ。昔はあぁじゃなかったんですけどね……」
『Vtuber活動の支障にならないと良いですけど……』
正直、支障きたしそうなんだよね……。
でも箕来がいないと僕生きていけないから、追い出すなんてことは出来ないし。施設に行くっていう手も無くはないけど、施設に入ったらVtuberなんて出来ないだろうし。
何とかして言い聞かすしかない、か。
「しっかりと叱っておきますので!」
『ふふっ。まるで侑子ちゃんさんがお姉さんみたいですね』
「あ、あはは……」
『あ、そういえば』
不知火さんが何かを思い出した様に言った。
「どうしました?」
『コラボの日程、どうします?』
「う〜ん。一週間後とかどうですか?まだ多分配信に慣れて無いと思うんです。そこでコラボなんかやったら酷い有様になりそうで……。なので一週間配信をして多少慣れてからでも良いんじゃないかなって思いまして」
『良いですね!……では、改めまして、コラボ頑張りましょう!』
「はい!頑張りましょ!」
そう言って不知火さんとの通話が終わった。
と、その瞬間。
またもや扉が勢いよく開かれた。
「やっと終わった〜!!!!」
「うわっ!……飛びかかるのは危ないからやめて……」
「ごめんごめん。それにしても何あの女!私の侑子ちゃんと長々と喋っちゃって!」
「あの人とはゲーム友達みたいな感じだから決して箕来が思ってる様な仲じゃないの!」
「……ほんと?嘘ついてない?」
「ほんとほんと!嘘ついてない!」
なんかちょっと束縛のある彼女の相手してる気分……。
「じゃあ良い。……それよりも私とかまってくれるって話だよね?」
あ、普通に忘れてた。
「それは明日でも……」
「ダメ!今すぐかまってくれないとヤダ!」
「わかったよ……」
この後箕来にめちゃくちゃかまってあげた。
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