化け物バックパッカー
オロボ46
prologue
旅を終えた老人は、化け物はまだ旅をしていると信じている。
その老人は、少し前までは旅をしていた。
その旅の目的は、世界の価値を見るため。
老衰で体が動かなくなった今、老人は背負ってきたバックパックを下ろし、
自宅の寝室のベッドの上で、穏やかに寝ていた。
老人は、目的を果たせたのだろうか。
わかることは、老人は満足そうで、やさしい顔をしていたことだけだ。
寝室に、ひとりの子供が入ってきた。
子供はベッドの上の老人のところまで来ると、老人の手を握った。
「また……旅の話を聞きに来たのか?」
老人がたずねると、子供は無邪気な笑顔でうなずいた。
「ねえ、おじいちゃんと一緒に旅をしていた“変異体”さんって、今はどうしているの?」
「……今も旅を続けているさ。この世界の全てを見るためにな」
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