7話 神官、ファレル②
魔動機兵……。名前からしてなんだかヤバそうなことはうかがえる。
「めちゃめちゃ強いゴーレムみたいな感じですか?」
「まあ、そんなところでしょうか。ただ、魔動機兵は無敵なので……」
無敵。文字通りの敵が無いほどに強いという事だとすれば勝てない敵であるという事は火を見るよりも明らかだ。
まあ、ロマンがあるっちゃあロマンがあるが、戦うとなれば話は別っていうか戦わないことを願うほどではあるけれど。
「まあ、よほど運が悪くなければ魔動機兵に遭遇することなんてないけどね。遭遇しても安全なところまで全力で逃げるだけだけどさ」
そりゃあこのクエスト受ける人がいないわけだ。万が一魔動機兵なんかに遭遇したらよほど強そうなこのパーティーですら逃げる一択になるわけなんだから。
「というか、魔動機兵が無敵っていうのはSSSランクの冒険者が戦ったとしても勝ち目がないっていう事になるんですか?」
「そうだよ、普通に強力な魔法打ってくるし力も桁違いだし、なにより攻撃喰らわせたとしても即復活だからね」
なんだ、思った以上に無敵すぎるじゃないか……って、エルティナの口調がまるで戦ったことあるみたいな言い方なんだけど?
「もしかして、実際に戦ったことあるんですか?」
「まあ、私含めたSSS冒険者三人でちょっかいかけに行ったけど見事に無意味だったね」
エルティナさんSSSランカーじゃないですかやだー
マジで!?偶然にもパーティーに入った所のリーダーがSSSランクの冒険者!?
え、じゃあもしかして気軽に話してた隣にいるファレルとか無愛想なアキネスも!?
「そうですね、アキネスさんはSSランクですし私もSランクですよ?」
凄すぎるよ、もうなんなら驚きすぎで語彙力がまるで泡のように溶けていっているよ……。
「まあ、そういう事だよ新入り君。追い返すつもりはないけど帰るんだったら早めに判断しておいた方が良いとおも……」
「絶ッッ対このパーティーに付いていきます!」
もう決心は変わることはない。だって、こんなに面白そうなことが起きそうなパーティー、もはや付いていかないのは勿体ないとすら言えるであろう。
なんならお金払ってでもついていくわこんなパーティー。
「凄い度胸だ、なんというかその言葉だけでも連れてきた価値あったかもしれない」
「はぁ、エルティナ。あいつとクエストは関係ない。混同しない方がいいぞ?」
「ちぇー、相変わらずアキネスは釣れないんだからー!」
エルティナは唇を尖らせて正面を向いてしまう。
そんなエルティナを見てか、ファレルは優しく僕に伝えた。
「本当は、それはもう嬉しくて仕方ないんでしょうね」
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