第13話
結局俺達はあの後、お互い無言のまま帰宅。
俺は制服のまま、自分の部屋のベッドに倒れ込む。
「…はぁ」
昨日といい、今日といい、最近は色々ありすぎだ。
なんか少し頭がボーッとする、しかし、時間はまだ、十七時を過ぎた頃。しかし突然睡魔に襲われる。
寝るにはまだ早すぎる。
「…ん、やっべ…意識が…」
q俺は結局、睡魔には勝てず、死んだように寝てしまった。
――――――――――――――――――――――――――
「――くんって、すごいね」
まただ、またこの夢…
「わたし…――くんみたいにすっごいひとになる!」
謎の少女の顔には、少し靄が掛かっていた。
夢の中の俺はこの謎の少女と約束しているみたいだ。
「それでわたしね…おおきくなったら――くんと、ママとパパたちみたいに、ずぅーっといっしょにいたいなっ」
最後に一瞬だけ、まるで華が咲いたような表情で笑った顔が見え、そこで俺は夢から醒める
「んっ…」
「おはよ、にぃに」
目覚めると、悠衣が隣で抱き付いていた。
「おはよ…今何時…?」
「もうすぐ、ご飯出来るよ?」
晩ご飯が出来るということは十九時前、軽く二時間も寝ていたのか…
ん?悠衣?なーんか忘れてるような…
「じゃあ私は先に戻るからっ」
と言い、俺から逃げるように部屋から出ていった。
「…あっ!悠衣!」
その後俺は、悠衣をお仕置きをしました。
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《琴音視点》
私はあのあと色々な雑談をし、家に帰宅。
そのまま自室に戻り、制服から普段着に着替え、ベッドに横たわる。
「~~~~~っ!」
私は今日の屋上での出来事、拓斗に頬とはいえ…き、キスをしたあの瞬間を思い出してしまった。
顔が熱い…ドキドキする…顔を思い出す度に、胸が締め付けられる…
「…その為にも、絶対に振り向かせないと」
明日行けば、明後日から休日、更には大型連休であるゴールデンウィーク。明日で、デートに誘って拓斗を…!
「…倉本さんには負けたくない、か…なんか私らしくないな」
倉本明莉、彼女は拓斗の幼馴染みだ。
それ故に、私は彼女の事をあまり知らない。知っていてもそれはクラスメイトとして、だ。
「倉本さんは拓斗のこと…好き、なのかしら」
仮にそうだとしても、負けたくない。真正面から来られたら確実に勝てない。
倉本さんはああ見えて、やる時はしっかりとやる子だから、時々羨ましく感じることがある。
私は近寄りがたい存在だと美咲は言ってた、対する倉本さんは男女問わず誰とでも仲良くなれるとか。
彼女も私のようにモテるらしいし、私と違って料理が凄く上手いらしい。
倉本さんは他の女の子より可愛いから、早くしないと…
「…って、弱気になっちゃ駄目!わ、私だってやれば出来るんだから…!」
私はベッドから立ち上がり、一冊小説を手に取り、慣れた手付きでページを捲る。
私と全く同じ状況で、主人公に色々なアプローチをし続けるヒロイン。
そんな彼を想うからこそ、ついその言葉を呟いた。
「…貴方の傍に、居たい」
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