第10話 Chain Gang

 以前、書いた物語。STEALTHステルスの続編。


 岩崎の正体はChainチェイン Gangギャングと呼ばれる傭兵だった。

 Matildeマチルデの携帯電話の着信音が、Samサム CookeクックChainチェイン Gangギャングだったことから、まいことStealthステルスは、MatildeマチルデChainチェイン Gangギャングは恋人同士では? と思う…。





      ⭐︎




私の名前は岩崎いわさき 恭平きょうへい、今年で42歳になる。


 先日、私の愛する女性がこの世を去った。


 彼女はある組織の幹部。私は彼女の組織に雇われた傭兵。コードネームはChainチェイン gangギャングだ。


 彼女は俺の目の前で吹き飛ばされた…。


 彼女をったのは、討伐組織のインと呼ばれる男。奴の能力、Bomberボマーによって粉々の肉片となった…。

 彼女はこの地球上でも指折りの能力者だった。名前を木戸きど Matildeマチルデ うめMatildeマチルデの能力、rough terrainラフターは、自身の半径12mを粉々にする。

 

 そんな無敵な彼女が…。

 おそらくあの時にいた猫が、能力解除ディセーブルを使えたのだろう。

そしてまいが、Stealthステルスと呼ばれる能力者だ。

 あの女の能力をチラッと見たが、光学こうがく迷彩めいさいのようだった。

 だが、あれはMatildeマチルデおびき出すためだろう…。実際、俺の仲間が、Stealthステルスられたという報告は何度も受けている。

 映像で見たが、Stealthステルスは気がつくと背後にいる。そして顳顬こめかみに、ガドゥーカと呼ばれる法具を突き刺す。


 「インよりも、Stealthステルスの方が危険だな…。」


 「そうね、岩崎さん。」


 何!?

 目の前が赤い?

 何が起こった? 

 目の前が真っ赤だ!


 身体に力が入らない…。

 

 勢いよく床に倒れ込むが、痛みが全く感じない…。


 「目の前が真っ赤でしょ? このガドゥーカってね、やいば隙間すきまがあるから、眼球に血液が入っていくの。ふふ…。」


 「Stealthステルス…か…?」


 「正解。ご褒美にこれをプレゼントするわね。あなたの大好きな梅ちゃんのショーツよ。持ってきてあげたわ。」


 何だ?

 体の感覚が無い…。

 

 「はい。それじゃこれを握りしめて。よいっしょっと…。いゃだ〜! 変態みたい!」


 この女、何を話している?

 何も聞こえない…。


 暗い…。

 

 そうか…。


 血って黒くなるんだな…。


 Matilde…。

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