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手すりから体を乗り出して下をのぞくと、ゆったりと静かに波が押し寄せているのがわかる。
死体とかなくて良かった、なんてことを考えてから、バックを地面におろした。文字通り体が軽くなって、僕は肩を伸ばした。風は少し弱まっているけど、空は相変わらず、嫌気がさすほどに青い。
しばらくぼうっと空を見上げて、ゆっくりと視線をおろして、ぼんやり霞んで境界がわかりにくい海と空の狭間をじっと睨んで、おもむろにバックの口をあけると、そこに入っている大量のCDを、海に向かってぶちまけた。
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