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 サンボマスターを聴いて、思い出に浸っているうちに学校は午後のカリキュラムを終えてしまう。七時間目の終わりを告げるチャイムが響いて、僕は教室に戻る。帰りのホームルームが終わっても、僕はしばらく自分の席に座ってぼんやりとしていた。

 何かを演奏するわけでもない、音の出かたと伸び方を確認するだけの、ぼうっとした一直線の音の群れが校舎全体の空気を震わせる。ベランダの向うのグラウンドからは、野球部の声出しのよく響く声が何層にもなり、風に乗って窓のカーテンを揺らした。学校の放課後ってのは、どうしてこう吹奏楽のラッパの音と、運動部の練習の声が似合うんだろうか。中学生の時はそんなに気にもならなかったのに、高校になってから、放課後になって聴くこの音が心臓をわしづかみにして僕を焦らせる。気を抜くと勝手に目から涙を流しながらむせび泣きたくなるような、そんな感傷を強要させる。

 やめてくれよ、気が狂いそうになるんだ。

 僕はイヤホンを耳にはめて適当なノリのいい曲を流す。だけどラッパの音と野球部の声はしばらくの間、胸に響き続けていた。

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