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 僕がサンボマスターを初めて聴いてから数カ月がたったころ。僕の部屋の布団のわきで、あれ以来一度も聴かずにすっかり埃をかぶってしまっていたあのMD。二学期の期末試験を控えた僕に、父親が申し訳なさそうに、でも嬉しそうに声をかけた。

「お前、今度の日曜の夜あいてる?」

 テストの、前日だ。そのことは父親も知っているはずだった。どうしたの? と尋ねると、父親は口の端をつりあげた。

「サンボマスターの、ライブ行かない? 夜七時から二時間くらいだし、金は俺が払うし、テスト前だから厳しそうだったらいいけど……どうだ?」

 まくしたてるその様子から、興奮しているのが隠しきれずに伝わってくる。僕は特に考えずに、言った。

「別にいいよ」

 父親は、そうかと笑って、僕は人生初のライブに行くことになる。


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