第二話 「エヴァンゲリオン」に垣間見るメッセージ性
私はマンガやアニメが嫌いなわけでは無いですが「子どもたちが夢中になる物」と捉えています。
こんなことを言うと異論反論が多くありそうですが昔の人間なのでご容赦下さい。電車内でスーツを着たサラリーマンが「週刊なんちゃら」をのめり込む様に見入っている姿を見て少しがっかりした記憶がありますが、のめり込むほどの魅力があるのでしょう。
とは言うものの、面白そうなのは観ます。最近まで深夜に「エヴァンゲリオン」の最初のシリーズ?(すみません、詳しくないです)を観ていました。
作品名は重々承知していましたが、パチンコやスロットでも台があるし、興味があったので観るようになりました。
観て行くと「おい、いたいけな少年少女にこんなヘビーな事をさせていいのか?」というのが初見の感想でした。と同時に、そこにはある種の「メッセージ」があるように感じられました。(使徒の特性も面白いですが)
「使徒」が地球に襲来してそれを毎回「殲滅」するために「エヴァ」を操縦する少年少女たちの「人間模様・葛藤」が描写されている訳ですが、
「自分は何のためにエヴァを操縦しているのか?」
と自問自答する主人公の「苦悩」が現代にも繋がる「人生の使命、命題」であるように感じられました。
親子関係・出生・使徒を殲滅する使命の理由・友情・恋愛感情・「オトナ」になることとは?などの人が一度は通る「自問自答の苦悩」についての答えを探す作品だと感じました。
こんな視点でアニメを観てしまう私もどうかと思いますが、皆さんが現代のマンガ・アニメにのめり込む理由は何なのでしょうか?
私の幼少期は大概「正義は勝つ」「努力して何かを成し遂げる」という主題の物が多かったです。その当時は私も水島先生の「ドカベン」を早朝に起きて観ていました。その影響が今もあると思います。
しかし現代のマンガやアニメは「メッセージ性」が変わって来てもっと深いものになっていて、この「エヴァンゲリオン」だけを観てもとても難しいものだという印象です。(すべての作品ではありませんが)
「自分は何のためにエヴァを操縦しているのだろう?」は言い換えれば現代社会では「わたしは何のために生きているんだろう?」という疑問に変換されている様に思います。
主人公はまさか自分がそんな役目を背負って生まれたなんて思っても無いし、「自分のやりたいこと」では無かったのでしょう。
しかし「使命」には逆らえないし、逆らった所で「自分は何者であるのか」という疑念を持って生きて行くしかありません。「エヴァ」に乗って「使徒を殲滅する」ことで自分の「生を受けた理由」を見出し「自己肯定」「充実感」が得られたのでしょう。
それは現代にも十分通じる事だと思うし、人が産まれて見つけていく「人生の課題」でもあるようにも思います。
「自分は何者で、何のために生かされているのか」を見出すことなのだと思います。
一方、その主人公に課題を与えた「オトナたちの思惑」ですが「人類補完計画」なるものを達成する事でした。
最初意味が分かりませんでした。「それって特殊な人間を冷凍保存でもして未来に役立てるのか?」と的外れな事を想像していましたが、「補完」とは「人間が思考的に足りないものを補う計画」であると最終回を観て私はそう受け取りました。
それは「寂しさ」や「人間のメンタル的な弱い部分(自分の生まれた意味や疑問、自分は愛されているのか、必要とされているのかという不確定な確信)」を「補完」する事により進化を遂げるという意味合いなのでしょう。今だ定まらない不確定な確信に関する「解答」という「心の隙間」を「埋める」事だと思います。 確か2号機の少女がその弱点を使徒に責められる回があったような気がします。
確かにそれが「人間の弱さ」なんだと思います。でもそれは「人間である証明」でもあると思いますし、それでいいのではないかとも思います。
「自分の弱さを認め」て「自分の使命を知る旅」が人生だと私は思います。それがこの作品の「主題」なのではないのでしょうか。
このお話の本題にもありますが「明日」が確実に自分に訪れるか?という視点から言うとそんなのは自分でも分かり得ません。他人ならもっとそうです。自分で決める事ではないのです。
なので、その二つの課題に向き合って「自分なりの解答」を見つけるという課題には人それぞれに「持ち時間」があって、更に残り時間は不明なのですから時間を無駄に使っている暇はないと思います。更に今は「新型コロナ問題」や「気候変動による自然の崩壊」が迫っている訳で、只でも障害が立ちはだかっているのです。
「人類にとって不確定である事象」という事がどんな時代も「大きな敵」なんだと思います。「ゴールが見えないマラソン」ほどつらいものは無いのでしょうが、みんな走り続けています。走る事を止めるのはいつでも出来ますが、「記録なし」になるでしょう。完走すればタイムが出て、順位もでます。順位はさておき「完走」するくらいの大会にしたいものですね。
あなたに『明日』が訪れてくれるとは限らない(塩漬け中) イノベーションはストレンジャーのお仕事 @t-satoh_20190317
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