第7話 予知『夢』幻
その夜、現代に置き
それは、今まで数えきれないほど観てきたある種の『
「はあっ、はあっ、はあっ……!」
まるで何かに
すぐにでもこの中を抜け出したいと思う気持ちとは
(待ってくれよ、父さん……!)
やっとの思いで林を抜けた先、荒い息をついて顔を上げた少年の目の前には地獄が広がっていた。
つい先程まで
多くの見知った人々が
ある者は両腕両脚を
その中を1人、ふらふらと
「父さん、どこ行ったんだよ……。母さん、
一体、どれだけの時が過ぎていったのだろうか。
ごうごうと
そして、つい夢であってくれと思いたくなるような光景がその目に飛び込んで来た。
「か、あさん? 椛、ねえ……?」
目の前に広がる出来事が
「痛っ! なんだよ、って……」
「……そんな、
「元太……」
誰の目から見ても、死んでいることは分かりきっていた。
「そ、そうだ、父さんならきっと……!」
うわ
そんな風にハリボテの
「あ、ああ……、」
少年は目にする。
「アアアアアアアアアアアアアッッッッ!」
やがて己の父もこの世にはいなくなってしまった事を知った少年は、この先、何のために自分は生きていくのか、その理由を見失って
今の彼の心を支配していたのは、どこまで行っても
死んだような目で特に理由もなく
3mを
その異様な姿と
「ば、化け物、」
思わず口からこぼれ出た、
「これがお
そのように何も
化け物から発せられた話の内容に、何を言っているのか検討もつかない少年が1つ
(な、なんだ? ここは一体……)
急な展開に
本来であれば名前も知らない存在であるはずなのに、なぜか
状況が飲み込めないまま、最後に自身に目を向けて
ここでようやく衛実は、今までの光景が過去の出来事を
(けど、それじゃここは一体何なんだ? これもまた夢の中だってのか?)
確か自分は、京の街のとある
戦闘中特有の、身体のどこかを負傷して、その痛みがじわじわと己の身体を
「いつまで
夢か現実かその区別がつかず、ただただ
ハッ、としてそちらに顔を向けると、先程目にした化け物が自分に対して身体を横向きにしながら、目線だけをこちら側に
「てめえが、俺の家族を……!」
あの時は、何も出来ない
ありったけの
衛実は目の前にいるこの化け物を
普通の人であれば、
「ほう? あれだけのモノを受けておきながら、まだ戦おうと武器を
「だが
『フンッ!』という
その
「グハッ…………!」
二転三転してうつ
力無くぐったりと化け物に
『朱音ッ……!』と
「まこと、
お
そう言い残して高笑いをあげながら、朱音を
「待ちやがれッ……! 俺は、まだッ……!」
「はっ……! はあ、はあ、はあ……」
「…………はあ。夢、だったのか……?」
「まさか、ぐちゃぐちゃにされた枕で思い知らされるなんてな。
……ったく、とんでもねえ夢だったな」
『悪夢』以外でもなんでもない最悪の出来事が現実でなかったことに一安心し、胸を
それでも、今なお頭の中に
「…………とりあえず、
そう
「……そういえば、なんで俺は、今日初めて会ったこいつを、夢の中であんなに
答えが見つからず、
自分の
「…………考えるだけ
そう
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