第2部 京街騒動
第15話 弥助からの提案
人間の
目が
その視線の先には、きちんと2人分用意されていたにも関わらず、いつの間にか1つの布団に
「ん……? なんで朱音がこっちで寝てんだ?」
寝起きで、まだ頭が上手く働かない中、衛実は
「……ああ、そうか。朱音と約束した後、
それで軽く手当てしてもらって、飯を作ってくれて……、そっから先は思い出せねえな。多分、寝ちまったんだろう」
ハッキリしない
「本当に、お前ってやつは。……ありがとうな」
朱音の
だが、その気配を
「む……。あ、衛実」
「おう、おはよう、朱音」
「ふわぁ……。今日は、弥助の所には行かなくて
寝ぼけているのだろう。朱音は
彼女の
「朱音、ここは弥助の家だぞ。
「む……? ……はっ! い、いや分かっておったぞ? 今のはわざとじゃ。わ、わらわは衛実を
「ほ〜お?
「そ、そうじゃ! これから共に
何とか
「そうか〜。それじゃあ、もうここまでかも知んねえなあ。
「えっ? い、いやそういうことではなくて、」
「あ〜あ、残念だなあ。でも仕方ねえもんなあ〜」
衛実の
「ぬ、ぬしは、
そう言って、ふくれっ
「悪かった悪かった。少しからかいが過ぎた。だから許してくれ。ごめんな?」
「ぬしは、そうやって!
……はあ、もう
「ホントにそうだよな、
「だから! そういうのを
調子に乗ってふざけた事を言う衛実に向けて、朱音は勢いよく
「お、おい! 俺はお前と違って、
その痛みに思わず顔を
「調子に乗ったぬしにとっては、それくらいの
「
「それより朱音、そろそろ
差し出された手を
「ぬしのお
「ところで、弥助の作る料理は
急な角度の階段に足を
「そうだな……。まあ実際、そこらの
でもたまに、よく分からんやつが出てくることもあるから、驚くなよ? 安心しろ、味は多分……大丈夫だ」
自分の発した最後の言葉にいまいち自信が持ちきれていない衛実の
「ううむ……。店の
「少し、どころじゃないな。だいぶ、変わってる。
だが、
朱音も、つられてその時の光景を思い出し、
「それにしても、弥助の品にあのような力があったとは、知りもせなんだ。
衛実、弥助の店に並んでいる物は
「いや、どうだろうな。
子供とかは、楽しそうに遊んでいるから、きっと、そういう物なんじゃねえか?」
「子供の遊び道具を取り
……ますます
「あんまり深く考えんな。そういうもんだと
そんな会話を
「おはよう、2人ともぉ。
それより衛実、さっき
弥助の問いかけに、朱音と並んで
「ああ、気のせいだ。普段と違って、朝から俺達が家にいるから、調子が
「あーあー、そういうことを言っちゃっていいのかなぁ、衛実。せっかく今日、
腕を組んで、やけにもったいぶるかのような弥助の話し方に、彼との今までのやり取りから
「悪かったよ。だからヤブ医者だけは
「分かれば
そう言って円形の台の上に、
「お、今日は普通の鍋なんだな」
「なんだよぉ。いつも通りじゃあないかぁ。朱音ちゃんに、変なことを
「残念だが、それはもう
「えぇぇぇっ!? そんなことないよねぇ、朱音ちゃん?」
身を乗り出して
「だ、大丈夫じゃ。弥助のことを変な人物だとは思っておらぬ。むしろ、わらわと衛実に
「だよねぇ。良かった良かったぁ」
朱音の返答に、心の底から安心した
「ほらぁ、だから辞めるんだよ、衛実」
『
「はぁ、じゃあそういうことにしておくか。それより早く飯を
「しょうがないなぁ。はい、衛実の分。これは朱音ちゃんの分ねぇ。それじゃあ、いただきま〜す」
弥助の声に
「ところで衛実、体の調子はどうだい?」
3人が
問われた衛実は、
「そうだな……、まだ少し傷が痛む。日常的に生活するには、なんの問題もないが、戦闘はもう少し
取り
「そうかい。それじゃあ、お医者さんに
弥助の提案にキョトン、とする衛実。
「ん? それはなんでだ?」
「いやぁ、特に意味は無いよ。でも昨日の事もあったし、
それに、
今ならもう大丈夫なはずだし、行ってみたらどうかなぁ」
弥助の言葉に、一旦考える
「……そうだな。そうしようか」
弥助の考えに納得した衛実は、その提案に乗り、朱音と京の
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