第13話 決着
だからと言って安心出来るわけでもなく、むしろ次はない、という圧力が彼に見えない形で重く、のしかかってくる。
だが、衛実の顔に
ただ、ひたと鬼を
そして、自分の背後にいるであろう朱音に、視線を
「朱音、動けるか? 技は使えそうか?」
問われた朱音は、
「大丈夫じゃ。
これならば、じきに止まるであろう」
衛実がちらと彼女の方に視線を向けると、朱音は
「
それとも、自分じゃ出来ねえか?」
「出来るに決まっておる。
じゃがこの痛みは、わらわを守る
朱音は奥で
「これは、わらわのけじめじゃ。
朱音のどことなく
「……本当に、どこまで
朱音には聞こえない程の大きさの声で
そのまま鬼を
鬼もまた、先の攻撃で衛実が命を落とさなかった事から、
考えなしに飛び込めば、今度はどんな
そのまま両者が
「ハッ!」
鬼はそれを左腕の固くなっている所で受け止め、残った方の右手を上から降り下ろして、衛実の
鬼の反撃に気づいた衛実は、踏み込んだ右足を軸に、身体を反時計回りに半回転させて
さらに今度は、左足を軸に、また同じ方向に半回転させて鬼の背後を取ると、踏みしめた右足に力を
鬼は身体を
だが、それで
衛実は、それを薙刀の
「くっ……!」
衛実はそれを防ごうとするが、全てを
「チィっ!」
石や枝の
立ち上がり、鬼へと再び突撃する衛実の全身は、先の一騎打ちもあって
それでも、衛実の目は闘志で
鬼もまた、他の
衛実と鬼の間を結ぶ距離が7mほどになった頃、それまで彼の
「グウッ!?」
「グウォォォォォッ!」
「わらわを見くびるな、たわけ!」
その威力に身の危険を感じた鬼は、
地面に着地し、再度、朱音に襲いかかろうとする鬼。
だが、その背後に何者かの強烈な
すんでのところで、それに気づいた鬼だったが、今度は
「ハアッ!」
衛実の薙刀が鬼の背を完璧に
「グガァァァァァッ!」
あまりの痛みに、鬼の口から
「タアッ!」
衛実が返す
15mほどの間合いを取って、両者はまた
ただ、先の睨み合いと違うのは、鬼が肩で息をしており、その表情に
衛実達は、確実に鬼を追い
とは言え、彼らも
衛実は身体の
朱音もまた、鬼に付けられた
衛実が
そんな中、衛実が朱音に問いかけた。
「朱音、さっきの爆炎はあといくつ
鬼から目を離さないまま、朱音は衛実の問いに答える。
「体力の限界が近い。撃ててあと1発じゃな」
「分かった。それなら俺が先に出て、あいつに
お前は、それに
「出来るのか?」
その言葉に不安そうな
「『出来る』んじゃない、『やってやる』んだ。……行くぞ!」
その言葉を合図に、衛実が鬼へと突進していく。それを見た鬼も、迎え撃つ体勢を取った。
衛実の刃と鬼の両腕が交差し、火花を
(確かに俺は、今まで失敗ばかりしていた)
衛実は
鬼はそれを左腕で
鬼の視界が
ふと、鬼が下の方に何か
「だからと言って、生きることを
衛実が、気合いと共に
「朱音! 行けるか!?」
「任せよ!」
朱音の爆炎が鬼を襲う。鬼はそれを
「ガアアアアア!?」
炎に焼かれた鬼は完全に動きを止め、
朱音の
その刃は、しっかりと鬼の首を
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