変化の力
─京・とある
かつては、どこぞの
だが、長きに渡る戦乱によって
「……クソ、
その中にある1つの建物の中で、周囲の状況に気を配りながら、
「どうだ! そっちにはいたか?」
「ハズレだ! どこにもいやしねえ!」
「
外では、ガラの悪い男共の
地面が固く、足跡が残りにくい道であったことが
(にしても、向こうの数が分からねえ以上、
発せられる声の数からおおよその人数を予想してはいるものの、もし
(…………とりあえず、ここにある
そう思い
その様子を見て、彼の
「衛実、そんな
彼女自身に何か問題があった
ただ、衛実にとって彼女のその問いかけは、状況を理解出来ていない無神経なものに聞こえ、正直『
「見りゃ分かんだろ。ここに立てこもる準備だ。お前はそこで
「なんじゃと? 衛実、あまり見くびるでない。そのくらい、わらわにでも出来る。見ておれよ、まずは……」
「なっ!? おい、馬鹿やめろ! 勝手に、」
朱音の勝手な行動に
バキィッ!
直後、朱音が支えの部分に当たる廃材を
「なんだ?」
「こっちの方からでけぇ音がしたぞ!」
「そこだな! ったくよ、
音に反応し、衛実らが立てこもる
「クソッ……! 完全にバレた。おい朱音! さっさと
「ま、待て! それではぬしは、一体どうするつもりなのじゃ」
「ここで迎え討つに決まってんだろ。時間が無い、早く行け!」
敷地内へと
(思ったより数が多い。まずいな…… )
「衛実、わらわに考えがある!」
「まだ
野盗達の動きを
その目は『いい
「いいから聞くのじゃ! わらわには、『
「くだらねえこと言ってる
「ならば、ぬしは今、この状況を乗り切れるだけの自信があると
(一体誰のせいだと……!)
そんな会話をしている間にも、野盗達は自分達の方へと
不十分な
そして、『どうせダメなら、一か八かに
「ならやってみろ。ただ、ここは広すぎる。もう少し
そう言うと衛実は、朱音の手を引いて付近にある4
入って来た敵を
「それで? どうやってその力を使うんだ?」
「待っておれ。今より取りかかる」
そう言うと朱音は、目を閉じ、両手を合わせて
「『我をとりまく
すると、朱音が身につけていた両手首の腕輪に
次の瞬間、そこから何か
「これで『
「俺には、お前の姿がハッキリと見えているんだが?」
「力がかけられている者同士は、
実感が
「残るはここだけだ。さあ、
2人の間に緊張が走る。衛実はすぐに突き殺せるよう、
(…………来た!)
自分達がいる部屋の中に、むさ苦しさを
「チッ。なんだ、ここも
そう言って男は衛実達に気づくことなく立ち去って行った。
(本当にバレなかったのか? 目は合ったはず)
予想外の展開に
「ここも空だ! この屋敷には誰もいやがらねえ!」
「チッ、ただボロ屋が
そんな声と共に野盗達の足音が衛実達の
ようやく自分達の身の安全を確かめた衛実は、
「何とかなったか……」
「見たか衛実! わらわが言った通りになったであろう?」
そんな彼に話しかけてくる朱音。上手く
「馬鹿、声がデカい。
急に口を塞がれて驚いた朱音だったが、それによって
「すまぬ。ちと気が
すぐには首を
「……ああ、そうだな」
「よし、ならば此度こそ、わらわの
「頼み事……? 何の話だ」
「
わらわはぬしの事が知りたい。ぬしがどのような者であるのかを知って、ぬしの思いに応え続けていきたいのじゃ」
"鬼の少女"は信じている。彼の思いに応え続ければ、いずれ彼の方から心を開いてくれる日が来ることを。そして、その時こそ、この旅が
そんな思いを
「それに、ぬしは認めぬようじゃが、先の分も
しかし、
「……
衛実の問いに、良からぬ事を思いついた子どものようにニンマリとした
「決まっておる。今ここで大声をあげ、あの
「………………分かった。受けた
『これ以上、
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます