京ノ街
─ 京・
つい最近、といっても今より3年程前までのことではあるが、その時まで
「のう
「その武器の
「好きな食べ物や動物などはおるのか?」
鬼の少女・
『人』と
が、そんな
そんな
ムッ、とした表情を浮かべた朱音は、
「衛実、
そのまま歩いては朱音にぶつかってしまうため、衛実は
「うるせえな。聞こえてるっつうの。さっきからずっと
まるで相手にしないような衛実の口ぶりにカチンときた朱音は、
「ならば、少しはわらわの問いに答えたり、
彼女の言葉は、衛実にとって少し意外だったらしい。軽く
「早足? 俺は、ただいつも通りに歩いてるだけだぞ」
「む、むう……、そうであったか。じゃがせめて、もう少しだけ
そう
その姿が、鬼とは言えさすがに気の
「……仕方ねえな。合わせてやるから、そこをどいてくれ。前に進めねえ」
『これにて問題は解決』そう思った衛実は、再び歩み始めようと1歩脚を踏み出した。
だが、それでも朱音が
「なんでどかねんだ?
「まだじゃ」
「は?」
「ぬしは、わらわの話を聞いておったのか? わらわはもう1つ、ぬしに頼み事をしたぞ」
そう言われて衛実は、首を
「…………話を聞けってやつか?」
「聞くだけではない。きちんとわらわの話に答えるのじゃ」
「答える、つってもな。お前の質問は全部、俺のことばっかじゃねえか。誰が好き好んで、"鬼"なんぞにてめえ自身のことを
衛実にとっては、まだこの目の前にいる"鬼"の少女が
しかし、この"鬼"の少女は、そのようなことを考えもしていないのか、衛実の
「これから共に歩む者同士、
「そりゃ、いくら前だからと言って、家族や村の皆を殺した
「むむ……。ならば、わらわが今ここで、ぬしを納得させられる程のことを
「為す、って……。今この状況で、お前に何が出来るってんだ? またさっきみたいに
「そうではない! 何故そのような適当なことばかり申すのじゃ」
『からかわれた』と感じた朱音が自分の元へと
「チッ……、こんな時に。おい朱音、こっちに来い。俺より前に出るなよ」
そう言うと衛実は、
「おい兄ちゃん、可愛い子連れてんなあ?
俺たちにもよお、相手させて
話しかけて来た者を含む6人の野盗が、口元に
人数で
やがて6人の野盗は、自分達が確実に獲物を
ヒュンッ!
風切り音。
「っな!」
「てめえ!」
急な事の変化に、野盗は誰1人として動き出すことが出来ず、声をあげるので
そんな彼らに立て直す
「フゥッ!」
その勢いを殺さず、身体を1回転させて、今度は
そこへ、左端にいた男が刀を振り上げ、斬りかかって来る。
衛実は
「このクソォ!」
しかし、その
(チッ……!)
「衛実、今じゃ!」
男を飛ばしたモノの正体は、なんと朱音の体当たりであった。だが、それによって生まれた
「ウアアアアッ!」
最後の1人になり、
「…………終わったな」
一息つき、地に
「どうじゃ衛実! 今のでわらわが、ぬしにとって
そんな彼に何やら
その声に
「何を示したってんだ? ただ体当たりしただけじゃねえか」
「なっ!?」
予想外の答えが返ってきたことに
「それに俺は、お前に後ろにいるように言っただろ。なんで勝手に出てきてんだ?」
「それは、ぬしの身が
『
「そうならねえように、この肩の
先程から自分は、少しでも歩み寄ろうと
「どうしてぬしは、そうも素直に受け入れぬのじゃ! わらわの
「あのな、これは殺し合いなんだよ。命の
朱音の強い口調とは
そんな彼に
「オイ! こっちでアイツらの声がしたぞッ!」
さほど遠く
「チッ、まだいやがったのかよ。おい朱音、
そう言って衛実は、
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