第3話 そして卒業…

修学旅行の帰りの新幹線、

なぜかお互い恥ずかしいが近い距離にいる自分と秋。昨晩の、話はしていない。

しかし、なぜか家に帰りたくない自分がそこにはいた。

「今日、この後、会えない?」

秋になぜだか聞いてしまっていた。

「いいよ。」

秋は顔を赤くして答えた。

家につき荷物を下ろし、急いで秋のアパートへ向かった。なんでこんなに急いでるのかもなんでさっきまで一緒に居たのに会いたいのかも、自分には良くわからなかった。

これは恋なのか?それとも興味本位なのか?



秋とこんな関係を始めて数日経った。

「付き合う?」

そんな事を聞いている自分自身がいた。

普通なら断られても当たり前の事だ。だって…

彼氏がどうとか、あの子とあの子が付き合ってるとかを話題にする年頃だ。

ましては告白されている相手は同性なんだから…


そんな中、ふと言った言葉に対し、秋は

「うん」と即答した。

そんな簡単な事ではないはずなのに、秋は躊躇することなく即答したのだ。

お互い誰にも言えない、普通のカップのようにはできない、ベタベタしすぎると怪しまれる。

そんな世の中で、そこまで考えなかったのは

本当に好きだったのだろうと今となっては感じる。

それから時間が許すかぎり、秋と過ごした。


月日が経ち、卒業式を迎えた。

お互い別々の高校だったが距離はそう遠くはなかった。

新たなスタートを迎えこの先のことに不安を覚えながら…

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