ふるさとの田んぼ

時は過ぎていくけれど、ふるさとの田んぼの稲は育つよ、年が巡っても

学校帰り畦道を自転車で走っている

あたりは5月のまばゆい日の光に包まれている

そよ風吹けば、稲の青葉がさらめいて

田の面は波打ち、光の子を散りばめる

まるで光の海のよう

自転車から降りて飽くことなく稲の葉の輝きを見つめていた


東京暮らしも久しくなった

アパートの近くには畑はあるけれど、田んぼはない

東京の畑の景色も心なごむものではあるけれど

野川のせせらぎもやさしいけれど

ふるさとの田んぼの景色がなつかしい


思えば遠くまで来たものだ

田んぼの景色も今や遠くなってしまった

遠いところまで来てしまった

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