第33話 元魔法騎士団副長の実力
俺の作った
露出少な目で肩からくるぶし下まで細くてシンプルなラインが特徴。
なお脚横には長めのスリットが入って美脚がちらっとのぞく仕様だ。
この中では大人なリーザさんに似合っている。
「何なのこれ。物凄く力が増幅されているわ」
何も言わなくてもリーザさんは強化
「光属性魔法強化の
そして次はサリナにだ。
「もし使うとしたら魔法はそこに書いてある2種類、『治療』と『回復』だけにしておいて。それで治らない人がいたらリーザさんか私に回す事。わかった?」
「わかりました」
「私も了解だけれどこれ
確かに他には無い強力な魔法装備だ。
何せ異世界の資料から入手した知識で作ったからな。
今の処は俺しか作れないスペシャルな逸品。
でもその辺まで明らかにするつもりは今は無い。
「それはまあ、言わぬが花という事にして頂ければ」
「うーん」
リーザさん難しい顔をして考え込む。
下は間もなく川の本流の上。
確か難民受け入れ場所は中州だと言っていたよな。
ならもうすぐの筈だ。
「ところでリーザさん、まずはどの辺へ行けばいいですか」
その台詞でリーザさんは自分がいる状況を思い出したらしい。
「最初はまっすぐ先の赤い橋の向こう側、中州にある一番大きな建物。あとこの
「わかりました」
リーザさんは信用していいだろう。
仮にも元魔法騎士団副長だ。
何故か今は冒険者ギルドの
それにしてもリーザさんが
大きめで形のいい胸、きゅっと締ったウエスト、程よく大きいお尻。
大人の魅力満載だ。
出来れば今すぐでも触って感触を確かめたい。
柔らかいのか弾力性に富んでいるのか確認したい。
でも今は我慢だ。
後で隙を見て絶対風呂に誘ってやろう。
そうしたらアレしてコレしてナニをして……楽しみだ。
目標の中州には建物がいくつか見える。
言われた通り俺達は一番大きい建物の前へと着地した。
すぐに警備担当らしき男性が近づいてくるがリーザさんの顔を見て一礼する。
「パオロか。どうだここの様子は」
「治安的には異常ありません」
「わかった。引き続き警戒を頼む」
そう話してから俺達の方を見る。
「ついてきてくれ」
そのまま目の前の大きな建物へと入っていく。
受付部分にいた女性係員がリーザさんを見て頭を下げた。
「ヴァネッサ、ここの様子はどう?」
「第1収容施設の方はほぼ一杯です」
「難民の様子は」
「皆疲れ切って横になっている状態です。疲労や心労等で衰弱している者も多く、この状態で病気が蔓延したら一大事ですので気を付けておりますが……」
「わかった。とりあえずここに全体魔法で回復魔法と治癒魔法をかける。少しは難民の様子もマシになると思う。そうしたら適当に何人か推薦させるなり志願させるなりして捕食関係や他の業務に出して。必要人数は後程ソシエに連絡させるから。食料はシデリアから応援物資が届いた。これでしばらくは大丈夫」
「わかりました」
ヴァネッサと呼ばれた女性係員がもう一度こちらへ頭を下げる。
俺達も頭を下げ、そしてリーザさんに続いて中へ。
中は巨大な空間で、身長より少し高い位の仕切りで多数の区画に仕切られている。
一区画ずつ家族や一族等に与えられているようだ。
区画そのものは数種類の広さがあるが作りは共通。
板の間で靴を脱いで入り、横になれるよう毛布や毛皮が数セット置いてある形。
屋外やテントよりはましだが基本的に一時収容の効率を考えた作りだ。
空間の中央付近まで歩いて行って、そしてリーザさんは口を開く。
「難民の方々に連絡します。これからこの建物内全体に対して治癒魔法と回復魔法をかけます。出来るだけ術を受けやすいよう身体を伸ばした状態になって下さい。
あと連絡事項として、食料の応援がシデリアの街から先ほど届きました。他の街の分まで含めると当分の間、食料は充分な量を確保できています。だからこの点については心配しないで大丈夫です。
なおここの収容地は現在勤務員が大幅に不足しています。後程こちらから連絡しますから手伝える余裕のある方はどうかお手伝いよろしくお願いします。
それでは魔法を起動します」
よく響く声でそう説明した後、魔法を起動する。
「女神の癒し! 慈悲の施し!」
治癒系魔法を連続でしかも同調増幅まで使いつつ起動させる。
光魔法を使うのが初めてだと思えない業だ。
光の奔流がリーザさんから流れ出て広がり、建物内隅々まで流れていき空間全てを満たす。
流石元魔法騎士団の副長だけある。
この強化衣装の力を存分に使いこなしているようだ。
しまった可愛い呪文で更に強化する事を説明していなかった。
一瞬そう思ったのだが威力は申し分ない。
元がそれなりに魅力的だと呪文が可愛くなくても大丈夫なのだろうか。
もっともリーザさんの魔力は元々充分以上あるからな。
ただ火炎魔法しか使えなかっただけで。
だから強化そのものはそう必要なかったのかもしれない。
「これでいいわね、では次の建物へ行きましょう」
「リーザさん凄いです」
カルミーネ君にリーザさんは笑いかける。
「凄いのは私じゃないわ。この
でもあれだけの魔法を使ったのに魔力がまだまだ残っている。
慣れない魔法の筈なのに疲れた様子もない。
やはり流石だ。
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