第7話 えーっと……大変ですね。

引芹


……。

「引芹くん。……て」

「ヒッキー!」

……うん。

「おはよう…ございます」

「わっ…美人…」

「そっ、そんな事…」

「…何か文学少女って顔してるね。引芹さんは」

「そ、そうなの?わ、私、鏡見てくる!」

…何か調子狂うなぁ…、この喋り方。もう少し何とかならなかったのかな。

…先程から見えてはいたけど、胸がある。…新鮮だ。大きさは…って何考えてるの私!?

「引芹く…ちゃん!」

私の事を呼び掛けたのはえるさん。

「え、えるさん…」

「はーい、えるさんだよ〜」

ん…?えるさん…?

「えるさんだなんて…!!こっ、これは口が勝手に…!」

「分かってるよ。…」

「な、何ですか…?」

「いや、ね、すごい可愛いなって」

「かっ、かわわわ…!!!」

「ふふふ。せりちゃん、照れてるの?」

「照れてなんか…!!…せりちゃん?」

「そ。せりちゃんが私の事をえるさんって呼ぶみたいに」

「それは口が勝手に…!!ならこの場で得生戸ちゃんって呼び直しますよっ!」

「ちゃん付けかぁ…」

「それも口が勝手にですっ!もういいです...私、鏡見てきます!」

「ちょっ、ちょっと!?」

私はえるさんを無視して鏡のあるトイレ前へと向かった。

そして、そこに移ったのは、皆よりは少し幼く、紫髪ロングの美少女だった。...多分美少女...かな?

「どうかな?結構というか可愛いよね?」

「環ちゃんもでしょ...って環ちゃん!?」

「うん、そうだよ」

「急に現れないでよ...」

結構ビックリしたかも。

「ごめんごめん。驚かすつもりは無かったんだよ。...まあそれはさておき。引芹さん、胸には注意ね」

「! う、うんっ!」

そうだ、私はまだ男物を着ているのだ。勿論それは下着も例外では無く。

「それだけだよ。さ、教室に戻ろう?もうそろそろ授業始まるし」

「そうだね。...ん?」

あれ確か私、HR始まったら起こしてって言ったハズ...

「ねぇ、環ちゃん」

「ん、何かな?」

「さっき私さ、HR始まったら起こしてって言わなかったっけ?」

「ああそれね、引芹さん、起きなかったんだよ」

「...ごめんなさいでした...」

私のバカ!!悪いの私じゃん!!...すごく気まずくなってきた...

「わ、私、先行ってる...」

「へ?あ、ちょっと待って...!!走ったら、胸が...」

...私は早歩きで逃げる様に教室へと戻ったのだった。

さて、これからどうなるのでしょう、私達。

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俺のクラスが女子だけと化した。 羽霧 @fujiduki-namo

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