第6話 ああもう。どうにでもなれ。

引芹


「随分と眠そうね。」

「当たり前だろ…こっちはオールしたんだからな…」

そもそも夜更かし得意じゃ無いしな…

と、まあ結果的にオールは成功した。のだが…非常に眠い。今すぐにでも寝れそうだ。でも、まともに思考が出来る内は大丈夫だろう。

「さて…学校行かないとな…」

「…あんまり無理し過ぎるのも体に毒よ?」

「…それぐらい、分かってる…」

「そう?」

「ああ…」

そうして俺は学校へと向かった。

教室へと入る。すると、

「あ、ヒッキー!助けて!」

「…どうした。」

「私の口調が変なの!勝手に私って言うし、女っぽく喋るし…」

そんな効果もあったのか。ま、俺にはどうしようも出来ないけど。

「…俺にはどうしようも出来ん。諦めて、それに従うんだな。」

「!…ヒッキーの薄情者!」

「…手伝いたいのは山々なんだがな…すまん。」

と、似榎磐はきょとんとした。

「…?どうした、鳩が豆鉄砲食らった様な顔して。」

「いや…いつも謝らないヒッキーが誤ってるから、不思議で…」

決して、こいつの涙姿に同情した訳じゃない。決してだ。

「…いいだろ別に謝ったって。それn」

「引芹くんは、オールかい?」

「…ああそうだよ。」

俺はそう言いながら振り向く。

そこにいたのは緑髪ポニーテールだった。そして例の如く、美少女。

「…随分と変わったな。」

「うん。この口調の事も含めてね。」

「あ、ねぇ…あなた、誰…?」

そりゃそうなるよな。結構変わってるし。

「うん?私?私は巳環だよ。」

「巳環さん!?あなたが!?」

まあ信じられないのは分からなくは無い。ってか律儀にさん付けなのな。

「うん、そうだよ。まあ分からないのは無理無いけども。」

「それで巳環。昨日、伝えたかった事ってのは何だ?」

「ああ、あれね。女体化にかかる時間の話。」

「そんな事も分かったのか…」

「そうだね。私が昨日、学校から帰って寝た時間が5分くらいだって妹が言ってた。だから、約5分程で女体化してしまう。」

え…それは流石に無理じゃね…?

「…俺も昨日、帰ったら寝てしまってな。どれくらいかは分からないが、まだ女体化してないから規定の時間は寝てないが…」

「…諦めたら?女体化しないってのは多分不可能だよ?」

「……そうだな。」

諦めよう。苦労するかもしれないが。

「じゃ、寝る。HR始まったら起こしてくれ…」

そうして、俺は男の維持を諦め、寝た。

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