麻布の幽霊屋敷 第五話

 僕らの報告を一通り聞き終えた彼女は、案の定、何の感慨も浮かべなかった。

「私は、私を殺した〝犯人〟を探しなさいと申し上げたの。犯人はこの中に含まれている、なんて一覧を見せられて、私が納得できるとでも?」

「納得もしねぇし、成仏もしねぇだろうな」

 僕が伝言した彼女の言葉に、兄さんは落胆するでもなく、むしろ平然と肩をすくめる。

 僕らが応接室に持ち込み、今も僕らが囲むテーブルに広げられているのは、兄さんが米国防省から取り寄せた資料だ。その資料には、一九四五年五月某日に行なわれた軍事作戦の参加者の名が、司令官から末端の実行部隊に至るまでずらりと記されている。

 彼らは皆、アメリカ海軍の航空隊に属する将兵で、この日は、今の武蔵野市にかつて存在した軍需工場を破壊する任に就いていた。工場では当時、主に戦闘機用の航空エンジンを生産していて、これを破壊するのが本作戦の目的だった、らしい。

 そのリストに名を連ねる男たちの一人が、彼女を殺した人物。

 それが僕らの辿り着いた結論だった。

「ついでに言えば、仮に特定したところで無駄だろうよ。何せ、こいつらは〝犯人〟じゃない。少なくとも、裁判はそのようには裁かなかった、だろ?」

 その言葉に、少女は軽い驚きの色を見せると、やがて小さく溜息をついた。反論はない。やはり最終的には、そのように言い逃れるつもりだったのだろう。

「死因が特定できたということは、もちろん私の正体も?」

「え、ええ……」

 頷くと、僕は別の資料の束をテーブルに広げる。そこには、僕が兄さんに頼まれて調べ上げた彼女の情報が、コピー用紙数枚に渡ってプリントされていた。

 彼女の名前は大岩桃子。桃子はトウコと読むらしい。珍しい読み方だ。

 昭和四年――西暦で言えば一九二九年、彼女は、五津伯爵家とは親戚関係にあたる大岩家の長女として生まれる。ところが、その大岩家は昭和恐慌の煽りを受けて間もなく破産。桃子さんは五津家に引き取られ、この屋敷で育てられる。

 そして、昭和二十年五月。

 桃子さんは勤労奉仕先の軍需工場で戦闘機の機銃掃射に遭い、死亡。彼女は戦闘員ではなかったから、当時の国際法に照らしてもこれは立派な殺人に当たる。ところが、多くの日本人が歴史の教科書で学んだ通り、〝裁判所〟は桃子さんを殺した者たちを〝犯人〟としては裁かなかった。

 歴史の闇に、人知れず置き去りにされた〝犯人〟なき殺人――

「大したものね」

 テーブルを埋めるレポートを見渡しながら、大した感慨もなく少女は言った。僕とお茶をする時は随分と雰囲気も和らいできたのだけど、今は兄さんの手前、多少とも気を張っているのかもしれない。……どうせ兄さんには視えないのに。

「ほぼ皆無に等しいヒントでここまで調べ上げたことは、素直に称賛するわ。地上げ屋なんて下品な稼業はやめて、いっそ探偵業にでも鞍替えなさったらどう?」

「えっ……あ」

 さすがに今の一言はまずい。昔から兄さんは、上から目線で他人に褒められるのを何よりも嫌っているからだ。加えて地上げ屋呼ばわりのコンボ技。ここは、うん、曖昧に聞き流しておこう……

「何だ。また俺を馬鹿しやがったのか、そいつ」

「ふえっ? い、いや、何も」

「伝えて頂けるかしら? 別に構わないでしょう? どのみち叱られるのは瑞月さんではないのだし」

「あうう」

 渋々伝言すると、案の定、兄さんは爆竹みたいにゼロコンマで爆発した。

「誰が地上げ屋だ誰がッ! 俺たちはなぁ、投・資・家だっ!」

「似たようなものじゃない。三十年ぐらい前の話かしら、成金じみた下品な連中が次々とお屋敷に押しかけてきて、そのたびに私、二階からそいつらを突き落としてやったのよ。バブル景気……と言ったかしら、騒々しい時代だったわ」

 眉を寄せ、忌々しげに吐き捨てる桃子さんはしかし、昔の武勇伝を誇るようにも見えた。口調とは裏腹に、当時はそれなりに楽しんでいたのかもしれない。

 とはいえ、少女の称賛もあながち間違ってはいないと僕は思う。実際、あれだけの情報で全ての謎を解いた兄さんは、探偵に鞍替えしてもきっとやっていけるだろう。

 実のところ兄さんは、彼女の記憶喪失が疑わしくなった時点で、先の戦争の被害者ではとあたりをつけていたらしい。

 全てを憶えていたとして、なぜ今更、犯人を捜してほしいなどと無意味な要求を僕らに突きつけたのか。それが僕らを追い返すための無理難題なら、なぜ彼女は、その要求が〝無理難題〟だと認識していたのか。

 その無茶な理由が、仮に〝犯人〟が存在しないからであるのなら、では、〝犯人〟が存在しない殺人とはどういったものを指すのか――

「とりあえず、これでわかったでしょう」

 半ば強引に話を締めくくると、桃子さんはふいと踵を返す。

「私の要求を叶えることは不可能――そう不可能なのよ。私を殺した人間はいても、〝犯人〟はどこにも存在しない。まさか当時の裁判官を天国から呼び戻して、審理のやり直しをさせるわけにもいかないでしょう?」

「そうだな。それに、そんなことはお前も望んじゃいない」

 そう。問題の本質はそこなのだ。

 そもそも桃子さんは、彼女を殺した連中の贖罪など望んでもいないし、期待すらしていない。今更そんな願いを叶えたところで、桃子さんの魂がこの世界から解放されることはないのだ。

 でも、このままでは屋敷を永遠に賃貸に出すことはできないし、何より、彼女自身も救われない――そう、このままでは。

「じゃあ諦めて。私はね、この屋敷を護らなくてはいけないの。そう、百年でも……千年でも」

「そこまで待つ必要はねぇよ」

「えっ?」

 面食らう桃子さんをよそに、兄さんは手元の時計を確かめる。その兄さんが、「そろそろだな」と呟くのと、庭先から車のエンジン音が聞こえてきたのはほぼ同時だった。

 見ると、いつしか車止めに一台のベンツが停まっている。

 やがて、その後部座席からスーツに中折れ帽という洒落たスタイルのご老人が、運転手の介添えを受けながら、杖を支えにゆっくりと降りてきた。

「さてと、んじゃ俺は、お客様の出迎えに行ってくる」

 手早くテーブルの上を片付けると、足早に兄さんは玄関に向かう。その傍らで僕は、一緒に持ち込んでいた椅子をテーブルに寄せ、応接セットの体裁を整える。

 一方、桃子さんはというと――

「どうして、だってあの人、南方で……」

 茫然と、窓越しにご老人を見つめていた。たとえ姿かたちは変わっても、長らく想い続けた人だけは見誤ることはしないのだろう。

「戦死したはず、ですか」

 勝手に言葉を引き継いだ僕を、弾かれたように桃子さんは振り返る。その目は怒りや憤りではなく、純粋な驚きを僕に伝えていた。

「え、ええと……彼の自伝によると、昭和十九年のレイテ沖海戦で乗艦を沈められたものの、直後に米軍の艦船に救助され、以降、終戦までオーストラリアの収容所に収監されていた……とのことです」

「収監? それはつまり……捕虜として?」

「はい。ですが、終戦後間もなく日本に送還されています。復員……と言いましたっけ」

「……そんな」

 やがて、兄さんと介添人に連れられて、応接間にさっきのご老人が現れる。福々とした笑顔が染みついた穏やかな顔は、彼が歩んだ幸福な人生を、僕が読んだどの自伝よりも雄弁に物語っていた。

 彼こそは、かの五津電工を立ち上げた五津義正本人であり、かつてこの屋敷を施工した五津家の末裔の一人だ。

 五津伯爵家に三男として生まれた氏は、戦後の華族制度廃止とともに、一度は没落の憂き目に遭う。ところがその後、海軍時代に培った技術で戦友とともに新会社を立ち上げた。それが今の五津電工の始祖だ。現在は経営を後継者に託し、ご自身は田園調布の豪邸で穏やかな余生を過ごしている……らしい。

「ようこそお越しくださいました、五津様」

 兄さんにしては珍しいほど恭しく腰を折りながら、ご老人にソファを勧める。そもそも今日、兄さんがいつもの『不労所得』Tシャツを控えて堅苦しいスーツを着込んで来たのも、ここに彼を――五津義正氏を迎えるつもりでいたからだ。

 五津氏は「ありがとう」と目を細めると、ベンツを降りた時と同じ緩慢な動作で、のっそりとソファに腰を下ろした。その背後に、先ほどの運転手がぴたりと侍る。ただでさえガタイの良い兄さんよりも、さらに二回りはでかい。おまけに耳は見事なカリフラワー。本職は運転手ではなく、むしろボディーガードの方なのだろう。

「まさか……死ぬ前にふたたびこの屋敷を訪れることになろうとはね」

 嗄れた声でしみじみ呟くと、五津氏は応接間をゆっくりと見渡した。

「驚いた……本当に、何もかも昔のままだ……」

 やっぱり、相当に感慨深いのだろう。無理もない。彼にしてみれば、おおよそ半世紀以上ぶりの〝帰宅〟になるのだから。

 そんな五津氏を、桃子さんは相変わらず茫然と見つめている。

「いや、写真を見せてもらった時は半信半疑だったが……本当に、綺麗に残っているものだねぇ。こんなことなら……ああ、もっと早くに戻ればよかった」

 そして五津氏は、悔しそうに、照れ臭そうに笑う。

「ここは、私の生家でもあるが……同時に、美しい想い出の場所だった。ところが戦後、このあたりの屋敷は軒並み占領軍に接収されてしまってね……奴らときたら酷いもんでね、金唐紙の壁紙も、磨き上げた樫造りの床も、ぜんぶまとめてペンキで塗りたくってしまう。ほら、やはりGHQに接収された安田生命ビルがあっただろう。あれなんかも酷くやられて、パージの後はそりゃもう修復に苦労したらしい」

 五津氏はふぅと息をつくと、やがて、温厚な印象の彼にしてはひどく冷たい声色で、低く、小さく吐き捨てた。

「見たくなかった……奴らに踏み荒らされ、変わり果てた屋敷など」

 どうやらそれが、五津氏が屋敷に帰りもせず、また買い戻しもしなかった理由のようだ。

 兄さんがコンタクトを取った当初、五津氏は、屋敷を訪れることをひどく躊躇っていたという。そんな五津氏の重い腰を動かしたのは、兄さんが屋敷を買い取る際に販売業者から受け取った室内写真のデータだった。

 送付された写真を目にした五津氏は、涙を流して兄さんに感謝したという。曰く、本当はずっと屋敷の様子を気にかけていたのだと。ただ、それはそれとして占領軍に荒らされた思い出の場所を見たくはなかったのだと。

 だが、屋敷は荒らされてなどいなかった。死後、幽霊となって屋敷に棲みつき、終戦後は米軍将校たちを、バブル期には地上げ屋たちを実力行使で叩き出した桃子さんによって、屋敷は荒らされることなく昔日の姿を保ち続けた。そんな彼女の七十余年に及ぶ孤独な戦いが、愛する人を再びこの家に呼び寄せたのだ。

「早速ですが、このお屋敷での想い出をお話し頂けますか」

 向かいのソファに腰を下ろすと、兄さんは本物のインタビュアーよろしく五津氏に問う。いや、ある意味本物か。今回、兄さんはフリーのライターという触れ込みで五津氏に接触していて、この屋敷に彼を招いたのも、一応、屋敷での想い出を記事にするため、という尤もらしい理由がある。

 兄さんの問いに深く頷くと、五津氏は照れ臭そうにはにかんだ。

「若い人たちの前でこんな話をするのも……少し、照れ臭いんだがね。まぁ、古い人間の、古い青春の一ページだと思って、適当に聞き流しておくれ」

 そして氏は語り始めた。美しい青春の物語を。

「昔……この屋敷に大岩桃子さんという女性が住んでいてね。元は親戚の家の子だったんだが、いろいろあって、当家で引き取ることになったんだ。私は末っ子で、下には誰もいなかったから、実の妹同然に可愛がっていた。あの子も、お兄様、お兄様と私の後ろをついて回ってね。いや、可憐だったな、本当に」

 振り返ると、桃子さんは僕の視線を避けるようにぷいとそっぽを向いた。照れ臭いのか、褒められて喜ぶ自分を見られたくないのか。

「でもね、ある日ふと、気付いてしまったんだ。それが、単なる妹に対する愛情ではないことにね。……いつしか私は、女性として、彼女を愛するようになっていた。しかし、私の母は彼女をとても嫌っていてね。私は、母に勘付かれないよう、彼女との恋を必死に伏せていた。母の不興を買って、屋敷を追い出されては可哀想だと思ったんだ。あの子の家はとっくに離散していて、他に頼るべき親戚もなかったからね」

 そして五津氏は、ふぅ、と重い溜息をつく。単なる息切れか、あるいは、当時の切ない恋心を思い出したのか。

「……約束をね、していたんだ」

「それは、桃子さんと?」

 兄さんの問いに、五津氏は「ああ」と深く頷く。

「必ず、生きて帰るとね。たとえ死んでも、魂となってこの屋敷に戻ると。……なのに、日本に帰った時には、もう、僕を待つはずの彼女はどこにもいなかった。……ああ、あの日、昭和二十一年の春……あの日のことは、ああ、今も夢に見るとも……箱根の別荘で、彼女の小さな位牌に手を合わせた日のこと……僕は泣きに泣いた。畳を掻き毟って、子供のように泣きじゃくった。……悔しかった。なぜ彼女を護れなかったのか。なぜ、彼女のために護国の鬼に徹しきれなかったのか。なぜ、僕一人が、おめおめと、生き永らえてしまったのか……本当に、悔しかったんだ」

 枯れ枝のような指先が、胸ポケットからのろのろとハンカチを引っ張り出す。それを五津氏は両手いっぱいに広げると、顔を埋め、肩を震わせて激しく慟哭した。

「……義正さん」

 ついに見かねたのだろう、そんな五津氏に、おもむろに桃子さんは歩み寄る。やがて、その足元に膝をつくと、縋るように、五津氏の痩せた膝に顔を寄せた。

「私はここにいるわ、義正さん、私はここにいるのよ……あなたが会いに来てくれて、私の死を悼んでくれて、私、本当に嬉しいの。嬉しいのよ。だから……もう泣かないで」

 でも、その声に五津氏が気づくことはない。目の前にいるはずの桃子さんの呼びかけに、顔を上げることもない。生者である五津氏には、桃子さんの姿は視えもしなければ、声すら聞こえないのだ。

 触れ合う手のひらも、せいぜい肌を撫でる風としてしか認識されない。

「……ひどいわ」

 やがて桃子さんは言った。震えるその声は、ひどく上擦っていた。

ひどく上擦っていた。

「彼が生きていると知っていたら……どうして、わざわざここに連れて来たの……私には、もう、触れることも……声を届けることも……何も、できないのに」

 ひどいと言いながら、彼女は五津氏に縋りつくことをやめない。本当は逢いたかったのだろう、触れたかったのだろう。ただ、その想いが強いほど、愛する人に触れることのできない悲しみも深くなる。

 残酷な仕打ちだと承知はしていた。

 それでも、いざ悲しみに暮れる彼女を目の当たりにすると、今更のように胸が潰れてしまう。悲しませたくはなかった。できれば幸福で満たしたかった。それでも、彼女の唯一の思い残しを断ち切るには、こうする以外に方法はなかったのだ。

 だから、間違ってなんか。なのに――……

「……間違ってる」

 僕の言葉に、五津氏はのろりとハンカチから顔を上げる。皺だらけの瞼は、今はすっかり涙にふやけていた。

 そう、理屈は間違っていない。だとしても、こんな結末はやっぱり間違っている。誰も幸せにならない、こんな結末なんて。

「亡くなったから、それでお別れなんですか。違います。彼女は今もここにいて、あなたに寄り添っている……再会を喜んでいる。生きているだの死んでいるだの、皆さん、気にしすぎなんです。本当はみんなそばにいて、今この瞬間も、寄り添いながら……同じ時間を、過ごしているのに」

「ああ、わかっているよ」

 しみじみ頷くと、五津氏はやんわりと頬を緩めた。

「だからこそ、帰って来たんだ……彼女は今も、ここにいる」

「……」

 違う。五津氏の言う〝いる〟は、僕が意味する〝いる〟とは決定的にずれている。おそらく彼は、ただ単に観念的な意味合いでもってその言葉を用いているのだろう。でも、僕の〝いる〟は……

「ち、違うんです、僕は、」

「瑞月」

 冷たい声に呼び止められ、見ると兄さんが、窘めるように僕を睨みつけていた。

 兄さんとしては、これ以上、僕に余計な口を利かれると困るのだろう。確かに、霊が視えるだの死者の声が聞こえるだのと口走れば、今回のインタビューという口実自体を疑われかねなくなる。

「みづき君、と言ったかな」

 振り返ると、五津氏の穏やかな双眸がじっと僕を見つめていた。

「は、はい……」

「いいかい、みづき君。ページとはね、生きている限り続くものだ。……彼女を喪った後も、私の人生は続いた。生きている限り腹は空くし、腹が空いたら、稼ぐために仕事をしなきゃならん。仕事をすれば、たくさんの人間と関わるだろう。そうして……やがて、素敵な女性とも出会う」

 そう語る五津氏の横顔に、もはや悲しみの色はなかった。むしろ晴れ晴れと虚空を見上げる眸は、ただただ幸福な色に満ちていた。あるいは彼の人生も、こんなふうに、絶望から幸福へと一歩一歩、踏みしめるように這い上がっていったのかもしれない。

 ただ、それは桃子さんとの思い出を切り捨てることと同義で。

「彼女は、当時の取引先に勤める女性だった。太陽みたいな女性でね、ただそこにいるだけで、私や家族、従業員……皆の心を温めてくれる、私には勿体ないほどの得難い女性だった。彼女のおかげで……私の人生は笑顔が絶えなかった。辛い時も、苦しい時も……その妻にも、すでに先立たれてしまったがね、しかし、幸福な日々だった」

 しみじみと語る彼の眼差しは、今は亡き奥様への情愛に満ちていた。ただ、なぜか僕は、そんな彼を素直に祝福する気になれなかった。

 なぜ、こんなにもあっさりと前に進めてしまうのだろう。

 愛した人たちと過ごした日々の記憶、想い出。そういう、かけがえのないものを振り捨てて、どうして……

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