第2話幼い頃の約束

谷山翔琉と荒坂沙耶香は親同士で仲が良く、よく遊んでいた中だった。

そんなある日のこと、

翔琉が病院に運ばれたという知らせをお母さんから聞いて、直ぐに病院に向かった。

「あら来てくれたのね。ありがとう沙耶香ちゃん」

「おばさん翔琉は。」

「大丈夫よ。そこで寝ているわ。」

病室で、すやすや寝てる翔琉の姿がそこにあった。

心の中では安心していた。

でも、怖かった。翔琉が死んでしまうと思うと手が震えて仕方ないのだ。

もしこのまま死んでしまったら、もう遊ぶことが出来なかったら、なんて考えていた。

そんなある日のこと病名がわかった。

ステージ4の小児がんだそうだ。

余命は長くて13年でしょうとまでいわれた。

まだ幼い私には、余命という言葉もがんという言葉もわからなかったが、でも、このままでは死んでしまうという事はわかった。

その2日後、翔琉は通院しながらも、一緒に元気よく遊んだ。

あの笑顔が大好きだった。

だから私は

「翔琉。絶対私が病気治してあげるからね。約束だよ。だからまた、元気よく遊ぼ。」

「ありがとう。沙耶香ちゃん。絶対治してね。だから僕はそれまで死ねないや」

と二人で笑いながら話していた時期もあったな。

懐かしいよね。翔琉。そう言って幼い頃の写真を見ながら思い出をふりかえっていた。

そうして、アルバムを見ていたら1つ封筒がでてきた。

その封筒には、

拝啓、沙耶香ちゃんへ

元気ですか?僕は元気です。

あれからあまり会えてないけど、沙耶香ちゃんが、

転んで泣いていないかが心配です。

また、遊ぼうね。

翔琉より。

翔琉らしいな……

涙が止まったと思ったのに、また涙が溢れてきたよ。

そうやって毎回毎回心配してくれたんだよな……

そういう、翔琉は今頃何をしているんだろう。

会いたいよ翔琉。

そう思いながら、アルバムを閉じた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

あなたはもう居ない @kotyan1254

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る