識人

「2年から転入してきた天野くんだ」

「は、初めまして!都内から引越してきた天野あまの 識人しきとです。よろしくお願いします。」

「すげぇ東京人だ!!」

「はい静かにーー」


転入してきてすぐは、色んな人に東京について聞かれた。東京なんてそんな良いもんじゃないのに。だったら星が見えるここの方がよっぽど…


"天文部員募集中"


「天文部、あるんだ!」


白い紙にボールペンで適当に書かれた文字

それを掲示板でみつけた僕は、その日の放課後部室を探した。


「天文部…といえば屋上だよな。」


そう思い、屋上へと足を進めた。もしかしたらもうそろそろ観測を始めているかもしれない。


「…寒っ」


たどり着いた屋上には観測をしてる人はおろか、人1人すらいなかった。


「はぁ…部室、探すか。」


"ゴンッ"


『いでっっ』


………ん???


屋上の扉を開けようとした瞬間頭上から声が聞こえた。扉の上には貯水槽がある。(時前に学内を案内してもらった時教えてもらった)


「あのー…誰かいらっしゃるんですか?」

「…あァ???」


ガラついた声と共に覗いた顔

それが夏彦との出会いだった

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