第13話 お出かけ(初デート)
今日は待ちに待った霞とのお出掛けだ。テスト期間の最中もずっと気になって楽しみだったのはここだけの秘密である。今日はデート感を出そうと霞が、最寄りの駅で待ち合わせてから行こうと言ってきたのでその通りにする。俺もそのシチュには憧れがあったのだ。霞との初デートという事で服も新しく買い、髪も手入れし、自分でできる精一杯の事をしたつもりだ。霞より先に駅につき暇つぶしをしながら霞を待っていると
「彰人〜。遅れちゃったかな?」
時が止まったかと思った。いや、可愛すぎるだろ。なに、霞ってこんな可愛いかったか?
いつもと全然違う。髪もいつも結んでたのをといて伸ばしてあり、服もワンピースにショートなファーコートと大人な感じが醸し出されている。化粧もナチュラルにされていて今日の霞が今まで一番輝いて見えた。
「何、感想無しなの?なんか言ってよ〜。」
「いや、今日の霞可愛いなと思って。
ほら行くぞ。」
ヤバい。可愛すぎてまともに直視できない。
デート初っ端からテンパってしまう。こっちから会話を再開させたいが中々そうも出来ない。いつもなら無限にでも霞と話せそうなのに、今日の霞の雰囲気がそれを妨げる。
「そうだね。今日は新しい冬服もほしいから
一緒に見に行こうか、出来たらコーディネートを彰人に頼みたいな〜なんて。」
最後の声を小さくしながらチラッと上目づかい
で見上げてくる。いやだから可愛すぎるだろ。
マジ女神かよ!
「いいけど。いいのか?自分で言うのもなんだが多分俺、私服のセンスないぞ。」
「そんなことないよ、それに………
彰人に選んでもらうことに意味があるんだから、 ………ううぅ……」
言いながら顔を真っ赤にさせる。多分自分で言ってて相当恥ずかしくなったのだろう。
やっぱり街中を歩いてると結構な数の視線を感じる。勿論霞に。これだけ可愛いのだ。まぁしょうがないといえばしょうがないのだが、やっぱり彼氏として彼女が好機の視線で見られているのは余り気分の良いものではない。だから、
「なぁ、せっかくのデートなんだからよ、
手、繋ぐか?」
霞はハッとする。顔をもじもじさせている。多分街中で恥ずかしいのだろう。だが、それでも
霞は自分の彼女であると周りに示したかった。
「あ、ごめん、嫌だったら」
最後まで言い切る前に手に柔らかい感触が生まれる。霞の手だ。今まで触れたことのないその感触に感動すら覚える。俺より小さいのにその温もりはしっかりと感じることができる霞の手に。
「うんうん、繋ぎたい、行こ!」
今日のデートは自分の人生の中で一番楽しい
イベントになると彰人は霞の顔をみて強く
思った。
ずっと好きだった幼馴染との同棲生活 小町 @znmc8120
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。ずっと好きだった幼馴染との同棲生活の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます