第12話 天才の独白2 (白瀬視点)

私こと白瀬霞には今彰人に対して

ちょっと不満なことがある。

学校でのことだ。私は学校では誰とも喋らないし

基本的にずっと1人でいる。いわゆるぼっちという

やつだ。でもそんなことはどうでもいい。

最近勉強を教えてと水咲さんという女と

彰人との距離が近い気がする。

うう………彰人には私がいるのに。

ってそうじゃない。

私はずっと教室にいる間彰人のことばかり見ている。彰人も基本的にずっと教室にいるのでその交友関係もある程度把握している。

これだと私がストーカーみたいに思えてくるかもしれないが、事実だから否定できない。

特に私は彰人に近づく女には鋭い目線を送っている。だって心配なんだもん。彰人を取られないか。

その中でも水咲さんは要注意だ。とにかく胸がでかい。なんなの、本当に天然なの?とても同級生とは思えない。学年一、いや学校一でかいかもしれない。私だってまだ成長期だし、大きくなったら彰人に………って私何考えてるの!

とりあえず水咲さんには余り彰人に近づかないで

貰いたい。でも水咲さんは彰人と同じ部活で

良く彰人の話に出てくる人だ。彰人はそんなに多くの人と付き合いを持ってない。その中で水咲さんはその中の1人なのだ。私のそんな感情で彰人の妨げになってはいけないとは思いつつもどこか心にもやがかかる。彰人を信用してないわけではない。

寧ろとても信用している。だから彰人が

靡くとは思ってないがそれでもやはり心配なものは心配だ。最近はテスト週間に入り部活が出来なくなる。私にとってそれは好都合だ。

彰人と一緒にいる時間が増える。学校では一緒に

入れない代わりに家ではその時間を埋めるように

一緒にいるようにしている。勉強は良い。

偶々私は勉強ができるように生まれたお陰で彰人に勉強を教えることができる。勉強という言い訳を使って彰人に密着まで……

う、恥ずかしくなってきちゃった。

ともかく昨日から彰人との同棲が始まった。

彰人は私の事を大事にしてくれる。私が助けてと言ったら飛んできてくれるし、いう事だって大抵は聞いてくれる。彰人の気持ちは十分すぎるほど伝わってくる。だから私も彰人の事を大事にしたい。彰人のそばにいて彰人の事を幸せにしてあげたい。彰人の喜ぶことだったら何でもしてあげたい。

勿論そういう意味のほうでも。

テストが終わったらお出掛けをしようと言ってくれた。最近の私の楽しみはそのことで埋め尽くされでいる。どういう服を着ていけばいいかな?

可愛いって言ってくれるかな?お出掛けなら今までだって行ったことは何度もあるが付き合ってから初のお出掛けだ。

デートなのだ。

このデートを成功させてもっと彰人を惚れさせて

見せるんだから!

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