第10話 同棲当日

昨日の夜は大変だった。え?何が大変だったって?隣で霞が寝てるんだぞ。風呂から上がった後からする良い匂いとか顔を赤くしながらプルプルしてる霞を抱きしめてやりたかったです。

はい、おかげで全然寝れませんでした。

起きて体を起こすと霞は隣で気持ちよさそうに

寝ていた。まだ朝の5時半なので寝かしといてやりたい。俺は自分のバッグから教材を取り出し勉強を始める。昨日は色々とイベントが盛り沢山で帰ってから勉強ができなかったので今日は勉強しないといけない。何たって霞と付き合うことになったのだ。霞と同じまでにはいかないかもしれないが、

せめて霞の隣にいて恥ずかしくないレベルには学力を上げないといけない。

霞はそんなの気にしなくて良いよとか言っているが、俺が気にするのだ。将来的に俺が霞に養われるというヒモ的な状況だけは避けたい。まずは目の前の目標として今回の期末テストで学年で10位内に入る。俺は要領が悪いから他の人の倍ぐらい頑張らないと無理かもしれない。

でも今は不思議と出来る気がするのだ。やる気もいつもじゃ考えられないぐらい湧いてくる。急に体重がのしかかる感覚がする。

霞だ。寝ぼけてるのか、彰人〜とぼやいている。顔が赤くなる。そりゃそうだろ。具体的には言わないが当たってるんだよ。急いで引き離す。


「おい、霞、起きろよ。もう朝だぞ。」


「えぇ〜。もうちょっと寝ていたい。このまま

 彰人に抱きついてたい〜」


「おい、お前もう起きてるだろ。」


「バレちゃった?でもいいの。私このままが

 良い〜」


そう言われるとなかなか引き離せない。もはや

霞の願い事が全て俺の弱点となりはてている。

霞のいうことを断れる気がしない。でも不思議と

悪い気は一切しない。自分の中でこのままでいいと思っている自分がいるのだ。それにそれで霞が

喜んでくれるならそれに代わる喜びはない。


「はいはい。じゃどうぞ、」


「やったー、じゃ今日はずっとこのままいよ?」


「おい、流石にそれはだめだろ!」


この後、霞との楽しいやりとりは続き、芽里さんに朝ご飯の時に、丸聞こえだったわよ、と言われ

だ時には恥ずかしすぎてまともに相手の顔を見ることができなくなってしまった。霞はあっけらかんとしていたが、好きな子のお母さんに会話が全部筒抜けとか恥ずかしいにも程がある。

そのあとはいつも通りの日常を過ごし

ついに同棲当日。


「お邪魔します。遂にだね!これから2ヶ月は

 暮らせるぐらいの準備はしてきたから準備は

 バッチリだよ!どうする?どこか出かける?」


「いや、悪い。勉強させてくれ。今週の金曜から

 もうテストだからな。さすがにやらないとヤバ

 い。」


「ん〜。そうだったね。じゃ私が教えてあげよう

 か?」


「ありがたい。ちょうど数学の問題で分からない

 ところがあったんだ。」


この後霞は俺が分からなかった問題をあっという間に解いて俺に分かりやすく教えてくれた。

教えてる時の霞との距離が近すぎてドキドキして

しまったのはここだけの話である。

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