第9話 幼馴染と過ごす夜(白瀬視点)

気付いたら私は部屋の中のベッドで寝ていた。

さっきの話の途中で私は倒れてしまったのだ。

だって突然、彰人と同棲とか。お母さんに言われた瞬間頬が凄い緩んでしまった。

彰人に気づかれていただろうか?

いや、多分気付かれてる。だって顔にめっちゃ出てた自覚あるもん。でもやっぱり嬉しかった。

だってずっと夢見てた事なんだもん。好きな人との同棲なんて。しかももう私達は付き合ってる。

カップルで同棲とか……嬉しすぎる。

やば、また顔がにやけてきちゃった。

私は布団を深く被り、顔を隠す。だって今の顔、

彰人に見せられるような顔じゃない。

こんな気持ち悪い顔じゃ、彰人に嫌われちゃう。そんなの嫌だ。せっかく付き合えたのに。

ようやく落ち着き布団から顔を出すと彰人がいた。安心する。

彰人の顔を見るだけで、安心できる。やっぱ私の側には彰人がいないとだめなのだ。


「お、ようやく起きたな。大丈夫か?芽里さんの

 話の途中で急にぶっ倒れたんだぞ。

 覚えてるか?」


私が首を縦に振ると彼は安心した顔を浮かべた。


「それと同棲の事なんだけどよ、芽里さんに

 頼まれて無理してるんだったら断っても

 良いんだぞ。俺は嬉しいけど霞が嫌なことは

 絶対したくないから。」


「そんなわけない。」


私は珍しく声を荒げる。これだけは強く否定したかったのだ。


「私はずっと彰人と同棲してみたかった。

 彰人こそどう?私と同棲するの嫌?」


「嫌なわけねぇだろ。好きな女との

同棲なんて。」


言ってて恥ずかしくなったのかプイと顔をそらす。そんなとこも非常に可愛らしい。思わず抱きしめたくなる。我慢、我慢。


「あ、そうだ。芽里さんから今日は部屋用意して

 ないから霞の部屋で寝てくれるって言われたん

 だが、いいか?最悪リビングで雑魚寝するから

 断ってくれてもいいんだが。」


「そんなことさせられるわけないでしょ、

 ちゃんと私の部屋で寝てよ。あ、そうだ。

 ベッド一つしかないから私のベッドで

 一緒に寝よ?」


「そんなこと出来るわけねぇだろ。流石に襲わな

 いと保証できる自信がない。多分我慢できなく

 なる。それにそういうことはまだ……」


「う………」


そういうことを意識せずに言ってしまったが、

冷静に思い返せば私、誘い発言しちゃった?

うんうん、バリバリしちゃってるじゃん。

顔が真っ赤になる。流石に恥ずかしすぎる。う、でもそういこともやぶさかでは……

でもでもまだやっぱりそういうことは早いかも……ううう…………


「でも、どうすれば、流石に敷布団もないところ

 で寝かす訳にもいかないし。」


「いいって、下で雑魚寝するし。ごめんな。

 迷惑かけて。あと安心しろよ。うちには

 ちゃんと部屋あるから。俺ちょい下にいって

 来るわ。」


「待って。襲われてもいい。私と一緒に寝て?

 ううん、私が一緒に寝たいの。」


「う、それは卑怯だぞ……一緒に寝るしかねぇ

 じゃねえか。」


そういうと彰人は部屋を出て行った。多分相当

意識しているのだろう。私も大胆な事を言ってしまったと、およおよしてしまう。う、可愛い下着

あったかな?見せても恥ずかしくもないやつ。

私は急いで下着の入ってるクローゼットから探しはじめる。ちゃんと買っておけばよかったと

今さらながら後悔する。

あった。

これなら何とか………鏡で確認するが、大丈夫だと思う。あとちゃんとお風呂に入って綺麗に

しないと…………と色々慌てた霞だった。

結局、お互い意識しすぎて全然寝れませんでした。

うう…………私のバカーーーーーーーーーー

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る