第4話 漫画研究部
この学校の昼休みは長い70分もあるのだ。何でもこの学校の校長が時間を有効活用できるかは社会においての基本なので生徒の自主性を促す意味があるらしい。俺は昼休みになると部室へと向かう。そこでは基本的に人が誰も居ないので集中して勉強できるのだ。購買で予め買ってあったパン1個で済ませて即、勉強を始める。もうすぐ2学期の期末テストがあるのでそれに向け各教科の対策が必要なのだ。特に俺は数学が苦手なので一番時間をかけなければならない。集中していると突然ドアがガラッと開く音がする。
「あっまたここにいた。探したんだよー。」
頬を膨らませながら可愛くうったえてくる彼女は
水咲 杏果という。この少女どこがとは具体的には言及しないがとにかくデカイ。2つの果実は高校生の制服にはとても収まりきらない。彼女の魅力をこれでもかと強調している。俺も男なのでこういうのを見るとドキドキしてしまう。ただ俺は霞一筋なので余り気にしないようにしてるのだが。ウェーブの掛かった美しさ黒髪に出てる所が凄く出てて収まってる所はしまってるのだ。
いわゆるボン.キュ.ボンの鏡のような身体つきなのである。学年1と迄はいかないが普通に可愛い。当然1位は霞。あくまで俺個人の感想だが。
「いやクラスはうるさいからな。
ここでなら集中して勉強出来るんだよ。」
「そっかー。瀬良くん、勉強頑張ってるもん
ね。」
「ん、それより何か用か?」
「あ、そうそう。今日私友達と用事入っちゃった
から帰らせて貰うねー。その報告に。」
「おう。了解。てかそれぐらいLINEで行ってくれ
たら良かったのに。それぐらいは返すよ。」
「オッケー、次からそうするよ、じゃあね。後輩
と共に仲良くねー。それではー」
というと軽快に去って行く。そういうと後5分で授業が始まる時間になったので教室に戻る。
教室に戻るといつも通り霞は寝ていた。そうして霞が気持ちよさそうに寝ているうちに時間は過ぎていき今日最後の授業が終わる。帰りのHRが終わる俺は颯爽と教室を出て部室に向かう。そこにはもう後輩の姿が。
「あ、瀬良先輩。もう来ちゃいました。
このブルーズオーケストラっていう漫画
なんかめっちゃ青春してて良いですよね。
感動しすぎて昨日夜更かししちゃいました。」
そういう後輩は山谷 透。下の学年でトップの成績をおさめる運動神経も抜群の完璧イケメンである。こんな奴が学年トップかと思うとやっぱ学年トップの奴はこんなに余裕があるのかと思い知らされる。まあそれはいつものことなのだが。
「そうか。今度俺にも貸してくれ。読んで
みたい。」
「いいっすよ。うちに全巻あるんで今度持ってき
ますよ。そういえば今日水咲先輩いないんです
か?いつもなら先輩と一緒に来るのに。」
「ああ、友達との約束があるんだと。そういや
透!今日はいいおやつ持ってきたぞ。マミーズ
のアップルパイだ。透、アップルパイ
好物だろ。」
「えぇ、わざわざあざす。また今度俺も持ってき
ますよ。でもこれ水咲先輩がいない時に食べ
たら先輩絶対文句言いますよ。」
「いいよ、あいつの分も残してあるから。それに
明日からもうテスト一週間前だから部活禁止
だろ。あいつには俺から渡しとくからもう
食っとけ。」
俺は満足そうに食べる山谷を見て、後悔など一片のかけらもなく吹き飛んでったのであった。
後日談
その後水咲には文句を言われたが食べだしたら
ご満悦そうにしてたので良かったと心の底で
思ったのであった。
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