第3話 学校

霞と分かれて校門に入ると見慣れた顔がいた。

大河原 恭介だ。俺の学校での唯一、気がおけないやつだ。


「よぉ、朝から急いでるな。そんな急がなくても

 教室まで普通に間に合うぞ?」


「いやね、間に合うんだけど課題があるんだよ。

 美術の。今日の朝までに提出だから。

 じゃあ後でな。」


おう。大河原の声を尻目に俺は急いで靴を履き替え美術室へと向かう。美術室へと向かうと鍵は空いている。作品をとり美術準備室へと足を運ぶ。


「すみません。2年B組の瀬良です。作品を提出し

 に来ました。」


ん?返事がない。何度もドアをノックすると

向こうのほうから声がする。


「ん、入ってきてー」


入るとそこにはソファーでだらっと寝転ぶだらしない先生の姿が。いつ見ても駄目さ加減がぱない。


「瀬良か、丁度良かったー。やっと部活申請が

 通ったよ〜、私頑張ったよね、ね、」


本当に先生かと感じさせるこのワンコ系先生の名は西條 沙織という。因みに部活申請というのは

俺がこれまで漫画同好会に所属しており、規定の

人数を集めることが出来たので正式に部活として

活動できるようになったのだ。ほら、部活じゃないと困る部分が色々あるじゃん。例えばお金とかお金とか。お金しかないように見えるが実際のところ8割ぐらいはお金の問題だ。同好会だとお金が下りないので全部活動資金は自費となる。だが部活動となると正式に学校から一定の金額がおりるのだ。この学校は部活の発足に対してはとても緩いので3人以上いれば部活動として認められるのだ。そして西條先生はちょっとしたいきさつでこの部活の顧問となったのだ。


「ありがとうございます。先生、ちゃんと服を

 きて下さい。だらしないですよ、」


「分かったよー、あっ、今日ちょ用事があるから

 部活には顔を出せないよーごめんね〜。

 3人でよろしくね〜。ん、そろそろ朝のHRが

 始まるから教室に行きなー。」


「問題ないです。あいつらとちゃんとやっときま

 すよ。それでは失礼します。」


と言ってドアを閉め美術室を出て教室へと向かう。教室へつき自分の机に座ると机の中にメモ

が入っていた。霞からだ。


"朝いい忘れた。今日はうちで泊まっててね"


俺も返事を返す。


"了解した"


すると担任の先生が教室へと入ってくる。男の

若い先生だ。


「じゃ朝のHR始めるぞー委員長号令。」


「起立、令.」


委員長が号令をかけると皆がおはようございますという。担任はいつも通り連絡事項をすませ職員室へと戻っていく。授業が始まると相変わらず霞は気持ち良さそうに寝ていた。起きろよー、ちくしょう!

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