20日目
7時30分
いつもの定時検査の時間。
KT35.9℃、SpO2 98%、Hr77。
よし、問題ない。
今日は退所の日だが、今はまだ眠いので寝る。
8時
事務局から内線にて数値確認。
淡々と報告。
8時10分
朝食の用意が出来たとの放送。
取りに行くと、昨日の夕と同じ弁当が置いてあるんだが・・・。
恐らく、今朝の弁当と昨夜の弁当が混じってる。
消費期限大丈夫なの?これ。
8時30分
今日はもう起きる事にする。
帰る準備を進めておかねばならないが・・・。
10時
なんやかんや動画見てダラダラ過ごしている。
何かしなきゃいけないと思うと途端に他の事したくなる病。
10時30分
内線でPCR検査するから降りてこいとの事。
へぁぁ?そうか、今日はまだ一昨日の結果を聞いたわけじゃないから、一応やるんだ・・・。
検査フロアに降りると、ほじくり先生が綿棒の材質について「プラスチックの方がやりやすい」などと看護師に指示を出している。
(固い方?柔らかい方?どっちだ・・・?)
などと考えながら右鼻を差し出したが、今日のは柔らかい材質ながらかなり激しく、しかもしつこく鼻の穴をガン掘りされ、またも泣きそうになった。
やっぱこのほじくり先生、嫌い。
それにしても、気になるのは今日のこのPCR検査だ。
今日の午後には一昨日検査分の結果が来るらしく、それが陰性ならば退所になる予定なのだが、仮にその報告が陰性で自宅に変えれたとして・・・今日ほじくられたサンプルから陽性の結果が出た場合、自分は再びこのビジホに収容されてしまうのだろうか?
もしもそれで陽性だった場合は、絶対に自宅待機で通そう。
流石にもうここから肺炎化するって事はないやろうしな。
11時
窓を開けてずっと着っぱなしだったトレーナーを脱いだ。
帰る時用の格好に着替える。といっても、普通に部屋着みたいなもんだが。
軽く体操をする。ほぼ動く事のないこの生活は本当に身体に悪い。身体にもそうだが、とにかく精神的に悪いわ。コンビニで雑誌だって読みたいし、車でドライブだってしたい。
車で思い出した。
春は税金 年々高くなりゆく額は 少し上がりて
綻びだちたる財布に 重く圧し掛かりたる
政府は今年の自動車税は全額免除にしろ!!(国民の声)
なーにが納付期限の延長を許可するや。結局支払わないと車検受けれないシステム作ったのお前等だろ!!ファーック!!
12時
昼食の案内。部屋から出てみたが、昨日よりもさらに人が減っている感じがする。このフロアにはもうあと2人くらいしかいないのでは?
12時15分
弁当食ってると内線が鳴る。相変わらず心臓に悪い音だ。
内容は事務局からで、これからこのフロアには特殊清掃が入るので、部屋を移ってほしいとの事。
は?
今日陰性なら自分はこのまま退所なんですけど・・・。
そう告げると「一旦確認する」と言って電話が切られたが、その後の折り返しでまだ「陽性」の可能性も否定できないので、部屋を移る準備だけはしておいてくれとの事。
といっても、清掃が入るのもPCRの検査結果が聞かされるのも具体的に何時になるのか判んないしな・・・。
とりあえず、荷物は軽くまとめてはあるけども。
もう布団のシーツも仕分けしとくか。(退去時には指定の袋に掛布団、シーツ、マット、枕をそれぞれ分けて入れておくという指示がある)
13時
特殊清掃の話もPCR検査結果の話も来ない。
動画を見て待つ。
14時15分
ほじくり先生より電話。いかにも公務員らしい法令の条文を読み上げる感じで、今後の対応について説明。
「―――という事で、解熱後48時間の再発熱が無い事と、PCR再検査で2度の陰性で退所できる事となっています。一昨日のPCR検査は陰性でした。今日採取した分が明後日陰性なら、その時に帰れます。」
「は?昨日看護師から、今日陰性だったら帰れるって聞いてたんですけど。」
「いいえ、解熱後2回の検査で陰性ですから、今日の結果はまだ1回目の陰性になります。お気持ちはわかりますが・・・」
「俺もね、おかしいとは思ってたんですよ。最初は解熱後に2回って聞いてましたもん。だから、昨日も念を押して確認したんですよ?そしたら、発熱前に2度陰性出てるから大丈夫だって、看護師が言ったんです。」
「お気持ちはわかりますが・・・ルール上はダメなんです。」
電話終了。
フッッッザケンナァあああああああああああ!!!!!
どの看護師か知らねぇが適当な事ぬかしやがってぇーーーーーーー!!
大ウソつきじゃねぇか!!インシデントレポート書けよゴルァ!!!
マジでキレ散らかす。
ここに来てワイの怒りゲージは遂に爆発した。
→←→+CD 夢想残光霞
16時
看護師から内線で電話。
何やらヘラヘラ笑いながら言い訳しまくっている。
「えぇー?本当に今日帰れるって言ったんですかぁ?」(原文ママ)
「それは勘違いしますよねぇ~」(原文ママ)
「私は昨日の人と違うんでぇ~それ言われても~」(原文ママ)
「ここの人達もみんな寄せ集めなんでぇ~」(原文ママ)
「私もホントは休みだったんですけどぉ~急に呼び出されて来てるだけでぇ~」(原文ママ)
「今こんな状態なんで、何処も大変なんですぅ~。」(原文ママ)
「苦情は事務局か保健所の方に~。私らもろくに引き継ぎ受けてないんでぇ~。」(原文ママ)
あ”ぁ”!?(ガチギレ)
それお前らが言う?
殺すぞクソが!!現場で働いた事あんのか?こいつ。
そんなもんで患者が納得する訳無いだろ!!いい加減にしろ!!
こいつらは偽物や!!看護師資格持ってるだけのゴミや!!
こちらも怒りゲージがふり切れているので詳しく突っ込んで話を聞きだすと、どうもここの看護師達はワイが夜間に38℃越えの発熱をしていた事を完全に知らない。というか、いつ解熱したのかも何回カロナール飲んだのかも全く把握してない。
このホテルでは入所時に渡される健康管理表という紙が全ての入所者の健康状況の記録になる。ワイの発熱記録は、最初の熱発時の記録だけが健康管理表の端っこにサッと走り書きされていただけのようで、それ以後の発熱の記録は一切記録されていなかった模様。
ほじくり先生も何を何処まで把握していたのか分かったもんじゃないぞこれ・・・。
こいつら何なの?バカなの?
即ち、ここの医療スタッフは朝夕事務的に報告される朝7時30分と夕方17時30分時点での数値しか、把握してなかったのである。今回のこのアホナースとのやり取りで引き継ぎもろくに行われていない事が判明したので、13日目の夜間から出始めた熱の記録は、こいつらのフィルターを通すと以下のように伝わっている事が判る。
朝=7時30分 夕=17時30分
13日目 朝36.5℃ 夕36.4℃
14日目 朝36.9℃ 夕37.1℃
15日目 朝37.2℃ 夕36.6℃
16日目 朝37.2℃ 夕37.1℃
17日目 朝35.9℃ 夕35.3℃(解熱した日)
これだけみるとほぼ健常者と変わらないやん・・・。
そらそうだ、全部カロナール飲んだりしてしんどい時期を超えた時の検温なんだもの。だが、このホテルの医療スタッフは引継ぎをしていなかった。このデータ見てワイの事を放置し続けたのである。
ポジコロ日記から検温をチョイスして実際の状態を見ると、
13日目 25時30分に38.3℃(カロナール使用)
14日目 6時に37.8℃ 19時に37.7℃
15日目 2時に38.3℃(カロナール使用)10時に38.1℃ 13時に37.7℃ 14時に38.4℃ 15時に38.7℃(カロナール使用)
16日目 0時に38.7℃(最後のカロナール使用)6時に38.6℃(冷凍タオルで対応)11時30分に37.8℃(冷凍タオルで対応)
このあと徐々に解熱するが、ずっと37℃台。
実際はこれ、電話ではこの情報は全て事務局のおっさんか、或いは看護師に全て伝えてあったはずなんだが、今回の電話で判ったわ。
全っ然、共有できてませんでしたぁぁ!!!!
まぁじで、誰も知らんかった!!
結局、ワイ氏の発熱は放置され、自然解熱するまでアイスノンの一つも渡される事なく、自前の葛根湯やカロナールで悪戦苦闘する羽目になったのである。
「本当は最初の発熱で病院に帰すべきでしたねぇ(笑)」
とか件の看護師がニヤケながらいうので、本気で殺意が湧きましたよ。
16時30分
マジで腹立つので、事務局に電話するもずっと話中。
それでも怒りが収まらないので、保健所にも電話してみたが、こちらもずっと話中で電話に出る気配がない。気が収まらないので、市のコールセンターに電話して、詳細を話し、ホテルでの医療的対応があまりに杜撰でこの有様ではいずれ死人が出ると強く警告しておいた。この意見は必ず上の人間に挙げるようにと口を酸っぱく言う。
でも信用できねぇや!!公務員はよぉ!!
17時
事務局に内線すると、ようやく通じた。
怒りゲージがふり切れているので、ここまでのゴミ対応に対する怒りを全てぶちまける。
オペラツィオン・ティーガー!!
「ここが病院じゃないのは解るわ。色々手に負えない事だってあるだろうよ、じゃけどのぅ、自分らが手に負えん事をそのまま放置すんなや!!おぉん?お前等なんで発熱者の情報を共有してねーんだよ!!手に負えねぇなら病院に投げろや!!何で放置するねん!!こんな風に放置してたら、そのうちホテル内で死人が出るぞ!!大体なんやねんこのパンフは!!手洗いの仕方だの運動の仕方だの、要らねー情報ばかり入れやがって!!高熱時に頸動脈冷やすとか、有益な対処法が一つも入ってねぇじゃねーか!!素人なら死んでるぞ!!俺は言ったよ?不明熱が何日も続いてるし、そろそろ別の病気疑うべきなんじゃないの?って。解熱剤切らした時だって、水枕もアイスノンの一つもくれねーし、自然解熱したから良かったものの、こっちは本当に死ぬかと思ったんだからな!!ふざけんな!!」
「は、はぁ・・・医療スタッフには言っておきます・・・」
「それじゃ意味ねぇわ!!もっと上のもんに言っとけや!!俺もう次発熱したら逃げるからな!!こんな所いたら殺されるわ!!」
ここまで怒鳴り散らして電話ガチャ切りよ。
当たり前やでこんなもん!!
善良な市民様を軟禁しといてこの扱いはあまりに酷い!
いいかみんな!!よく肝に命じておくんだ!!
もしも突然ポジコロが判明し、それが軽症だった場合。
「入院」は絶対にした方が良い!
「入所」は絶対にするな!
「入院」はベテランのスタッフが適切な治療をしてくれるぞ!
「入所」は事実上の放置!体調が悪化したらホテル内で殺されます!!
17時20分
部屋の移動をするように言われる。
上層階に移動となった。結局、部屋の清掃は今日の話ではなく、入居者がいなくなてから4日後に行われるんだと。
事務局のお前ぇ!!
「これから清掃が入る」
言うたやろ!!いちいち誤解するような言い回ししやがって。
情報は正しく伝えろや!!
17時30分
定時の検査の時間。正直もうこの記録取るのもホント嫌だわ。
だってここの奴等は、この数字しか見てない事が判ってしまったんだもの。
KT35.2℃ SpO2 98% Hr48。
18時30分
夕食の案内。
このフロアにはかなり多数のポジコロ野郎共がいる。また別のコロナ貰って発熱したら、今度こそ俺は逃げるからな。保健所絡みの医療職なんか、金輪際信用するものか。
はぁ・・・また意識の高い松花堂弁当か。
本当なら今夜は念願の山岡家のラーメン食べれてたかもしれないのに・・・。
でも怒ると本当に腹が寝る。
取り敢えず食べよう。
19時
夕方のニュース。
自宅や路上で死ぬ人がちょろちょろ報告されているらしい。
発熱からの急速な呼吸器症状で死亡か・・・。
だが、今ならハッキリと言える。
適度に知識があるならば、ホテルにいるよりはアレコレ対処の可能の方な自宅の方が114514倍はマシ!!自宅だと救急車呼べるもん!!ホテルはマジで殺されるぞ!!
もしもホテルに入れられたら、嘘でも呼吸器症状をでっちあげて病院に行くんだ!!ホテルには鼻をほじくるだけの医者とPCR検査を手伝うだけの看護師しかいないぞ!!採血も出来ない、血圧も測れない、ロクに発熱の記録も取らない、無い無い尽くしで最終的には放置されて殺されます。さっさと呼吸器症状をでっちあげて病院に入った方が安全だ!!
あああああああまだイライラする。
「サムライとライスバー」
(こいつら全員・・・)
「処分じゃ!!」
20時
怒りゲージが鎮まらないので、今日はぬるめの風呂に入って寝ます。
皆さん、明日も御安全に。
合言葉は
「野菜を作る上ですぐに使える」
ぐっない。
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