10日目

6時


定時検温は36.4℃。眠いので速攻で寝なおす。


7時30分


ウンコ放出。相変わらず口の中がカラカラやなぁ。

気が付くと病室の小窓に中が見えないように紙で目張りしてある。

自由に出歩く患者が増えたためか?


8時


朝食は豆と海老ともやしの和え物、卵焼き、味噌汁、白飯、ヨーグルト。

相変わらす味気ない。

食後に支援物資のゼリーとそろそろ黒ずんできたバナナを食べた。ウホッ。

アビガンも飲む。もうちょっとで飲み終わりそうだなー。


9時


定時検温は36.1℃。

看護師が入ってきてサチュレーション測定。97%。

雑談をしたが、もうほぼ健康になってるし、話すネタがないな。

これから医師により今日の予定の説明があるという。


10時


医師回診。実のところ、この数日でコロコロ担当の医師が変わっている。

まぁ軽症だし、とりあえず担当になってるってだけの事なんだろうが。


んで、今日の予定を聞かされる。

本日は午後14時からビジホに移動になるとの事。

それに際しての同意書を2通ほどサイン。文面としては都道府県側が用意したもので、

「あなたのウイルスの消失は確認できていないものの、軽症なので必ずしも医学的にみて入院治療が必要ではないという点から、宿泊施設に於ける健康観察にご協力お願い云々」

といった感じ。断る理由はないので普通にサイン。


もし退院後の療養期間中に仕事に出ろって言われたらどうすりゃいいですか?って医師に聞いてみたんだけど、

「え、そんな事って普通あり得るんですか?」

という実に世間知らずのお坊ちゃんらしい無邪気な返事。いや普通にありえる話でしょ。日本のブラック労働環境っぷりを舐めたらあかんで?


そういう質問が来たら、医者なら

「断固出なくていいです。キッチリ治してから働いて下さい。」

くらい言ってほしいものだわ。


11時


退院に向けて動き始めているので、看護師等の動きも慌ただしい。

ちょくちょく報告が入るのだが、入院期間中にコンビニで購入した物品(院内歩行用のスリッパと水)の合計は3000円ちょっとだった。後日自宅に払込票が届くとの事。(ポジコロ野郎の私物は全て汚染物なので現金のやり取りができない)


11時30分


トイレに行って来た。

この日記もそこそこ反応が良くなってきたので若干言及しとこう。


退院後に(以下検閲)?という感想もあるみたいなんですが、そんなめんどくさい事はしません。なにせ(以下検閲)


もしも病院側が(以下検閲)、それは恐らくワイ氏ではなく(以下検閲)


・・・バナナ食ってウンコの報告してるだけの日記が売れるわけないだろ!いい加減にしろ!


あと検閲だらけじゃねぇか!(追記)


12時


入院最後の昼食である。

ミートソーススパゲティ、サラダ、ミカン、コーンスープ。

なかなか肉肉感あって満足できた。


13時40分


食後からまたウトウトして寝てしまっていた。

思えばここに来て、ほぼ食っちゃ寝の生活しかしていないので快適すぎる。

起床は6時。朝日と共に起きて、就寝は9時。日が沈むと夜更かしせずにさっさと寝ている。まさに身体の求めるがままに生活しているという感じで、長らく忘れていた本来の生活リズムというのが戻ってきたような感覚すらある。健康になるとはこういうことだよ、社畜の諸君!

健康立国を目指すなら政府は今すぐ昼食後の昼寝時間も義務化しろ!


14時


退去の準備をしていよいよビジホに搬出される。

入って来た時と同じく歩いて移動で、裏口からそっとハイエースに乗せられた。

救急車じゃないんだな・・・。


乗った時は気付かなかったが、同僚が一人乗っていた。

後は知らない人。4人位いたと思う。


今回は救急車ではないが、車内はやはり椅子などにビニールが被せてあった。

救急車と違うのは、外の様子が普通に見えるようになっているという点だ。

繁華街の交差点をあちらこちらを右左折し、10分ほどでビジホに到着。


ビジホも入口にビニールシート、関係者以外一切立ち入り禁止という案内が張られていて、かなり物々しい雰囲気になっていた。


ホテルに入ってもフロントに近付く事は許されない。ポジコロ野郎共が動いていいエリアは限られており、まずは玄関の目の前に自分の名前と部屋番号の置かれた封筒を手にして、一人ずつエレベーターに乗り込む。


とにかく荷物が多くて周りを観察する余裕があまりなかったが、玄関もメインの自動ドアではなく、手動のサブドアの方だった。ホテルに入ると植木やテーブルなどで敷居が作ってあり、我々の移動できるルートはこの時点でかなり制限されていた事が判る。


「封筒をお手に持って指定された部屋に移動してくださーい!」

という案内を結構離れたところからされ、黙々とそれに従った。


エレベーターに乗ってからはもう自分一人であるため、封筒に明記された部屋に移動。封筒の中にルームキーが入っており、それでようやく部屋の中に入る事が出来た。


14時30分


フロントから順次案内の電話が入る。封筒の中には案内の用紙が入っていて、滞在にあたって様々な制約が記載されている。電話の内容はそれを読み上げる感じ。


簡単にまとめると、


1.滞在中は原則部屋から出るな。

2.家族等も含め、面会は一切禁止。

3.デリバリー等の配送、差し入れも禁止。

4.喫煙・飲酒禁止。

5.食事は1日3度、飲み物と共に弁当で所定のフロアにて提供する。

6.食事は順次配布するので、館内放送で自分のいるフロアの案内があってから取りに出て来い。勝手に先行して動いて混雑させるな。

7.食事のゴミは次回の食事の時に弁当を受け取ったフロアまで捨てに来い。部屋にゴミの回収には行かないし、部屋の清掃も一切行わない。

8.洗濯は自室の洗面所でやれ。洗剤は所定のフロアで提供する。

9.やむを得ず部屋を出る際は手を洗ってからマスクをしろ。マスクは1日1枚支給する。

10.カードキーを忘れて出るな!忘れた際は事務局に内線しろ。

11.朝7時30分と17時30分に自分で検温とサチュレーション測定して記録しておけ。筆記用具、体温計、パルオキシメーター、記録用紙は封筒に入っている。

12.発熱など体調が悪化したら速やかに看護師のいる内線まで電話せよ


こんな感じ。意外に制約が多い気がするが、部屋の中はトイレもバスタブもあるので、まぁ困りはしないかな。なによりWi-Fiが各部屋専用であるのはありがたいぜ。


15時


とりあえず環境整備をして、メールなどで知り合いに移動した旨を報告する。

先に移動した同僚は弁当の量が少ないと不満を漏らしていたが、果たしてどうだろうか・・・。


他にも色々と細かな注意書きも読んでいるが、出たごみは基本的に感染性廃棄物として処分されるらしい。所定のフロアに置かれたゴミ箱ってのに、バイオハザードマークついてるから間違いない。俺はスジモンとして事情を把握しているから別に良いけど、いきなりこんな扱いされたら、一般の若い人なんかは結構ショックだろうなー。


16時30分


いよいよ個室インターネット環境が整ったという事で、今まで見るのを我慢していた岡山ドバーランド_ポジコロ編を見て大爆笑していた。

安倍晋三は直ちに首都機能を超巨大都市岡山に移転しろ!


17時30分


館内放送で検温とサチュレーション測定を促される。

そして、この時間から夕食の配置を行うので療養者は部屋から出ない事を釘刺された。KT35.8℃、SpO2 98%。

寒気などはないが、この部屋病院に比べるとなんか寒い気がするな・・・。


17時45分


内線で体温とサチュレーション、脈拍の確認があった。

朝晩内線でのやりとりがあるという訳か・・・。


18時


館内放送があり、晩御飯の準備が出来たから取りに来てよし!の合図。

マスクをし、手洗いをして部屋を出ると、皆待ちわびていたかのように部屋を出てくるではないか。


エレベーターで他のポジコロ野郎共と弁当配布フロアに着くと、同僚が二人既に弁当を手にしていた。挨拶をして少し会話をしたのだが、まだ熱が出ていると言っていた。うーん、発熱してる人もホテルに回してるのか・・・?


あまり長話も出来ないので、その後弁当をゲットして部屋に戻る。


18時30分


弁当はなんと中華料理屋さんの仕出し弁当だった。ワイ氏も知ってる店。

内容は麻婆豆腐、揚げ餃子、揚げ春巻き、しうまい、漬物、ゴマ団子で、中華料理屋が作る本格中華弁当って感じだ。コンビニの弁当より全然うまいっ!今までの病院食から比べると雲泥の差だ。ただ、ご飯の量は聞いていた通り少なめだった。

それでも、このクオリティの弁当出るなら食事の時間が毎回楽しみになるわ。

役人ナイスゥ!


19時


アビガンを飲んだ。

寝るにはまだ早いが、そろそろ風呂には入ろうと思う。

今日は身体を洗った後、湯船に湯を張って入るつもり。

流石に長い事湯に漬かれてないので、そろそろゆっくり肩まで温まりたい。


今日はネタも出尽くしたので、ここまでという事にします。

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