17 12月24日 夜

 12月24日 夜


 部屋に戻ると夏のお腹が鳴った。テーブルの上には家庭的な料理が並んでいて、とてもいいにおいがする。遥はファンシーなエプロンを身につけている。趣味が子供っぽいの変わっていないようだ。

「どうしたのこれ?」夏は状況がよく飲み込めないでいた。

「晩ご飯だよ。食べるでしょ?」

 すごく美味しそうだ。ちなみに夏は料理ができないしできるようになりたいとも思わない。椅子に座ると遥はコーヒーを出してくれた。 

「外寒かったでしょ?」遥は微笑む。どうして外出がばれたんだろう? やっぱり監視されているのだろうか? それとも体が冷えているのがばれたのかな? やましいことはないから別にいいんだけど。

「ありがと」カップを受け取る。夏は少しだけうつむいた。照れてしまったのだ。ずるい。こういうのは反則なんじゃないか。嬉しいけど。

 テーブルには二人分の食事が用意されている。

「照子の食事はいいの?」ちょっとだけ気になったので聞いてみた。

「さっき薬を飲ませてきた。部屋でいい子にしてたよ。誰かと違って勝手に外出したりしない」そういって夏の顔を遥は覗き込む。夏の顔がどんどん赤くなっていく。

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