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「シロクジラ?」

「プログラムの名前。この研究所のすべてを管理してる。私のオリジナル作品」

 そういえばさっきからモニタやディスプレイに白いクジラが泳いでいる。あれのことだろうか? そういえば照子の部屋でも白いクジラが泳いでいた。

「結構時間かかったんだ」遥はさっきからずっとキーボードを叩いている。

 夏は遥にほっとかれて暇でしょうがない。もっとかまってほしい。なんとなく部屋の中を観察する。白い色はどこも一緒だ。外観も通路も照子の部屋も真っ白だった。遥の部屋も真っ白だ。ただシンプルでよく片付いているけど私物が目立つ。中央にテーブルと椅子があり夏はそこに座っている。奥の扉からはバスルーにいくことができる。さっき顔を洗った場所だ。途中にもう一つドアがあった。おそらくキッチンだろう。レトロな物が多いのも驚いた。紙の資料も置いてある。遥は文字なんて書かないだろう。遥が手で文字を書いたところを夏は見たことがない。学園ですらペンは使わない。タブレットがあればいい。趣味で使っているのだろうか? テーブルの上にカレンダーが置いてある。二十五日に丸がついている。手書きの丸。……やっぱりペンを使うんだ。

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