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外装だけではなく建物の内装も白一色だった。映画の中の宇宙船のようだ。それほど広くはないようだが夏の理解を超えた世界が広がっている。奥の扉が勝手に開いた。どうやら案内をしてくれるみたいだ。奥に進む。左右に扉がある。その前につくと右側の扉が開いた。
中をのぞいてみる。そこに一人の少女がいた。彼女はこちらを向いている。間違いなく木戸遥だ。その顔を見て夏は言葉を失う。文句を言いにきたのになにも言葉が出ない。ずっと会いたかった遥が目の前にいる。確かに彼女はそこに存在している。突っ立ている夏に遥が声をかける。
「久しぶりだね、夏」その声でようやく夏は言葉を取り戻す。
「ひ、久しぶり」
片手をあげて、引きつった笑顔をした。本人が目の前にいると緊張してしまう。慌てて遥の顔から目をそらすと異様なものが視界に映る。
「なに、あれ?」
遥の後ろに一人の子供がいる。一瞬それがなんなのか夏は理解できなかった。遥の背中に隠れるようにしてこっちを見ている。前髪が顔の上半分を隠している。それなのに明らかに視線を感じる。髪の毛の奥の瞳でじっと夏を見ている。口元は明らかに笑っていた。
「紹介するよ。名前は照子」
そういって遥は椅子ごと移動する。大きなガラスの向こう側。白い部屋の中。椅子に座ってじっとしている子供がいる。さっき見た子供と同じ子供のように見える。
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