第4話

『とりあえず疑問は解決したかな?』


「よし....っ」

ここまで来たらきちんと終わらせよう......どうせ終わったら記憶も消えるんだから。


『じゃあ今回お手伝いする人について説明していこうか。』

マシュマロは小さな紙切れを私に差し出した。そこには今回の仕事内容と......注意すべきことが書かれていた。


「うわぁ、これ一番難しいパターンじゃ?」

私が思わず声に出すと『こればっかりは運だからねぇ、ボクに言われても......』と苦笑い。


紙切れの内容はこうだ。


川に溺れてしまい、7歳でここに来ることになったらしい.......。

7歳ということは、今の自分の状況を理解できていない可能性もある。


「川、か......。」

一瞬....ほんの一瞬だけ.....【あの時】の記憶が蘇った気がした。寒いような、息苦しいような......そんな感覚。

あぁ、あの時は父親が海に飛び込んでくれて、漁船のロープで釣り上げられたんだっけ..........?

それで私は助かったけど.....今回この子は......っ


「.......っ」


『ちょっと!大丈夫?!』


「え.....っ?」

マシュマロに声をかけられるまで気づかなかったけれど、どうやら私は泣いていたようで......


『どう?やれそう?』

と、心配そうに聞いてくるマシュマロ。


「大丈夫、ちゃんと送ってあげる....。」

ちゃんと送る、絶対に。来世があろうが無かろうがどういう形であれこの子には報われて欲しい。

はっきりとそう思った。


『さぁ、時間も無いし早めに行こう。』


「了解。」

さぁ、最初で最後の【番人の仕事】の始まりだ。

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