第2話

『ああ、やっぱり秘密にしておくよ。』


やっぱり、そうですよね。そんな簡単な仕事ならわざわざ人を半殺しにしてまで拉致る理由なんて無いし。

でも、本当にこいつの言っている通り死人に会えるとしたら....色々な理屈が全部一気にひっくり返ることになる。


いや、死人に会えるとなると『来世』なんてものも存在する事になるのでは....?


『何ぼーっとしてるの?早く行くよ。』


「あ、うん。」


『人は死んだら星になる。』なんて話を、小さい頃両親から聞いた記憶がある。

だとするとどうだろう....もし、それが本当なの

だとしたら理屈が全部ひっくり返るってことに

はならないのか.....。


どちらにしろ、こいつが人が死んでからのルールみたいなものに詳しいのは確かだ。

いや、まだそういう話を一つもしていないから確かとも言えないか。


『着いたよ。ここが君の仕事場だ。一回きりだけどよろしくね。』


「わかった。」


一回きり....今こいつは確かにそう言った。何故、一回きりなのか....死人のルール、仕事の詳しい内容の他に番人自体のルールのことももう少し詳しく知る必要がありそうだ。

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