登場人物2

【オルトラント王家】

◆アンドリウス・クルバス・オルトラント(53歳):オルトラント王

 赤銀の瞳を持ち、毛量の多い赤茶けた髪を背後に流している。南の大陸に生息するという獅子レオンたてがみを彷彿とさせる髪型。

 骨格がすっきりとした顔立ちで、オルトラント王国の名に恥じぬ美形。年齢よりはだいぶ若く見える。

 グラードル的には、西洋人版の土方歳三に見えるらしい。

 豪放磊落で清濁併せ呑む度量を持つ。


◇ノーラ・フローレス・オルトラント(53歳):オルトラント王妃

 若葉を思わせる緑の瞳に瑠璃色の髪をしている。

 年齢よりもだいぶ若く見える。

 何代前か分からないが、エヴィデンシア家の血が入っているらしい。


◆トールズ・フローレス・オルトラント(33歳):第一王子

 ノーラ王妃の実子。いまのところ演台の上にいただけなので描写も無し。


◆ライオス・オルトラント(27歳):第二王子

 登場人物1、その他重要人物を参照ください。


◆クラウス・モーティス・オルトラント(15歳):第三王子

 登場人物1、貴宿館住人を参照ください。


◇リディア・フローレス・オルトラント(24歳):第一王女

 いまのところ名前のみ登場。アルメリアが近衛騎士として仕えたいと思っている人物候補。

 茶会に出席していたはずだが、すみません忘れてました。


◆オルトロス・ダリュース・オルトラント(故):前オルトラント王

 賢王と名高い名君だった。大賢者ファーラムをよく使い、王国北西に勃興した新政トーゴ王国の侵攻を大過なく収めていた。


◆クラウス・エーゲンス・オルトラント一世:487前にオルトラント王国を建国した建国王

 その時代は、大陸全土を巻き込んだと言われる黒竜戦争末期から終戦の後の混乱期。

 平民であったが相当の人たらしで、多くの優秀な仲間を見いだして成り上がり、オルトラント王国を建国した。

 女性にも手の早い性格だったらしく、失敗したものの、その時代最大の英雄であった赤竜皇女ファティマにも手を出していた。

 黒く見えるほどに濃い青髪に、紫色の瞳をしていたそうで、王家に同じ瞳、髪色の男児が生まれるとクラウスと名付けられることが多い。


【ルブレン侯爵家】

◆ドートル・ルブレン(47歳):ルブレン侯爵。ヴェルザー商会のオーナー。

 黒茶色の髪に薄い紫の瞳をしている。また顎下の髭を生やしている。

 恰幅のいい大柄な体躯をしていて、顔半分ほどグラードルより背が高い。

 ロレーヌと結婚してルブレン侯爵の爵位を継いだ。元上級市民なので、中間姓が無い。

 そのあたりを社交界で陰口をたたかれているが、表向き本人は気にしていない体をとっている。しかし内心ではいかっている。基本的な思考が根っからの商人気質で、社交界の遊泳は今ひとつ巧くない。

 本来は家族の情が深いのだが、妻や父を立て続けに亡くし、その悲しみを仕事に没頭することで忘れようとして、子供たちのことも見失ってしまっていた。

 グラードルとフローラの、幸せそうな様子を目にして思うところがあった模様。

 下品なのは地。


◆ボンデス・ルブレン(27歳):ルブレン侯爵家の長男。

 黒緑の髪をしていて赤黒い瞳をしている。

 5歳の時に母親を亡くしている。ドートルが貴族となる前に上級市民の母親から生まれたために貴族の中間姓が無いことと、生まれたときから貴族として教育を受けたグラードルとアルクに強い嫉妬心がある。

 それもあり、父親の商人時代を支えて亡くなった母親のためにも、自分こそがルブレンのすべてを受け継ぐべきだと考えている。

 バレンシオの手の者に唆されたこともあるが、邪竜の邪杯の影響を受けていたらしく、負の感情が暴走してグラードルとフローラを襲う。

 現在、服役中。近いうちに釈放されて領地に戻されるらしい。


◆アルク・フィッシュメル・ルブレン(15歳):ルブレン侯爵家の三男

 現侯爵夫人のメルベール・フィッシュメル・ルブレンの実子。

 黒い瞳に、薄い赤みを持った金髪をしている。実は、髪は茶色なのだが脱色している。

 兄たちと違い、母親の遺伝が強いらしく美しい顔立ちをしている。

 最初にフローラとの婚姻話が持ち上がった相手。気位が高くフローラの髪と瞳の色、オルトラント貴族としては不美人な容姿に、婚姻話を拒絶した。


◇メルベール・フィッシュメル・ルブレン(37歳)

 青っぽい緑の髪に赤い瞳をしている。

 現在では侯爵家に降爵になってしまったが、元公爵家の令嬢。

 気位が高く王都オーラスから離れて、ルブレン家の領地に入ることを拒んでいる。

 フローラは、縁を深めたいと思っているのだが、なかなかすれ違いで実現していない。


◇カサンドラ・ドライン・ルブレン(26歳):ボンデスの妻。トランザット王国ドライン子爵家の長女。

 濃い青色の髪を頭の上で纏めるように結っている。瞳は赤黒い色合い。目が少しつり上がり気味。

 元々は非常にスタイルの良い踊り子のような躍動的な肉体美を誇っていたが、いまはドートルに『丸太』と揶揄されるほど太っている。

 ルブレン家の領地の運営を一手に担っており、それをそつなくこなす才女。実家を介してトランザット王国との商いの繋ぎまで付けている模様。

 子供が生まれたばかりで、様子が酷くおかしくなっているボンデスを心配している。

 ルブレン家の茶会でフローラと絆を深め、現在二人で文の遣り取りをしている。


◇メリル・ガルディン(故):ボンデスの母。

 ボンデスが五歳の時に流行病で亡くなっている。

 ヴェルザー商会の取引先の娘で、気立ての良い女性だったらしい。


◇ロレーヌ・アンデ・ルブレン(故):グラードルの母。ルブレン侯爵家の長女。

 跡取りがなく、また、困窮していたルブレン家を支援する見返りにドートルと結婚する。

 愛情深い女性で、結婚の経緯など無かったようにドートルを受け入れた。

 しかし、グラードルを生んだ後、産後の肥立ちが悪く、亡くなってしまう。


◆ヴェルザー・ガルディン(故)

 元、旅商人でオルトラント王国と東方のトーウ皇国間を行き来する商隊にいた。オルトラント王国で市民権を買い取り、ヴェルザー商会を立ち上げて、またたく間に大商会へと盛り上がる。

 多くの貴族と縁を結び、その財力を持って妻を亡くした息子ドートルを、跡取りが無く困窮していたルブレン侯爵の娘ロレーヌと結婚させて貴族にした。

 本人は、ヴェルザー商会の会頭として貴族社会への浸透を図り、オルトラント王国でも有数の影響力を持つ派閥を作り上げようとしていたが、ロレーヌが亡くなって、直ぐに彼も亡くなってしまった。


【バレンシオ伯爵家と関係者】

 バレンシオ家は、黒竜戦争が起こる前までトーゴ王国の国王を輩出したこともある名家だった。

 黒竜戦争後は、細々と荒れ果てた領地を守っていたが、周辺に紛争が絶えず、疲れ果てた祖父オズワルドの代にオルトラント王国に亡命した。


◆モルディオ・ドラバント・バレンシオ(71歳):バレンシオ伯爵。財務卿。

 頭の頭頂部が禿げ上がっており、側頭部に黒い髪が生えている。瞳は黒に近い赤色をしている。

 両生類を連想させる、のっぺりとしたぬめるように光る額をしていて、その下にある目がギョロリと大きい。

 いぼの多い鼻の鼻翼部が大きく張り出していて、その下にある薄い唇が横に大きく広がっている。

 つまりカエル顔です。(某電撃を扱う女子中学生が好きな顔かは疑問)

 オルトラント貴族社会で迫害されて、荒んでいた少年~青年期に、フローラの祖父母オルドーとフローリアから気に掛けられていた。一方的にフローリアに好意を持つが、二人が許嫁同士であったことを知らず、結婚したことを知り、逆上、オルドーを逆恨みする。ある意味ストーカー気質。

 その妄執により完全に足を踏み外す。その後悪事に手を染めて、財務卿まで上り詰める。


◆ローデリヒ・シモンズ・バレンシオ(45歳):バレンシオ伯爵家長男

 外見は父親の縮小コピーのよう。

 幼少期より、モルディオからオルトラント王国や出身国であるトーゴ王国への怨嗟を吹き込まれて育ったため、どちらの国も滅んでしまえば良いと思っている。

 エヴィデンシア家に対しては父親ほど執着していない。ただ、この家が残っていると、自分の家の悪事が暴かれるかも知れないとも考えているので、隙があれば滅ぼそうとは思っていた。


◆モリソン・カンタリオ・ランドゥーザ(70歳):ランドゥーザ伯爵、三代前の元法務卿。

 赤黒い髪、濁った緑色の瞳している。雰囲気は神経質そう。

 オルドーの後を継いで法務卿となった人物。

 バレンシオ伯爵の腰巾着で、彼の後押しで法務卿となる。彼の時代にバレンシオ伯爵の不正の記録がことごとく隠滅されてしまった。

 しかしあまりにも仕事ができず、さらに人気が無かったため、次の法務卿の選定では落選した。


◆オルバン・バレンシオ・レンブラント(38歳):レンブラント伯爵。財務部経理局局長。

 バレンシオ伯爵の甥にあたる(姉の子)。

 次期財務卿の座を狙っている。

 艶のある黒に近い緑の髪を、撫でつけるように後ろに流して首の後ろで束ねている。少し青みの入った銀色の瞳

 バレンシオ伯爵の罪の内情をある程度知っているが、決定的な悪事には深入りしないように一歩引いていた。バレンシオ伯爵の罪が暴かれそうだと判断したらいつでも、内部告発して逃れる準備をしていた模様。


◆オーランド・スレイン・レンブラント(16歳):レンブラント伯爵の長男。

 登場人物1の、残りのゲーム中ライバルを参照ください。


◇メイベル・スレイン・レンブラント(15歳):レンブラント伯爵の長女。

 桃色の髪に、紅色の瞳をしている。

 学園で、取り巻きを引き連れてフローラを虐めていた首謀者。

 フローラはバレンシオ伯爵の薫陶によるものだと思っているが、兄オーランドがフローラを気に掛けたのが原因。

 超ブラコン娘。今流行の悪役令嬢。彼女……まだまだ活躍するかも。 


◆エルダン・カンダルク(26歳):エルダン商会会頭

 銀色に薄く紫が入ったような髪色で、瞳は黒が強い青。

 端正な顔つきで、外見だけ見ればグラードル様よりも貴族らしく見える。しかし、服装だけでなく身体全体から、どこか不健全で退廃的な雰囲気が漂っている。

 結婚式でグラードルを売春宿に誘おうとしたため、フローラからは嫌われている。

 また、グラードルとアルメリアの拉致事件では、裏で実行犯の手配をしていたもよう。

 現在、行方不明。


◇シェリル・パーラー(29歳):ルブレン侯爵家の侍女

 赤い瞳に灰色の髪色をしている。少し目つきが鋭く、背も女性としては少し高い。

 バレンシオ伯爵の企みに協力した。彼らとの関係はいまのところ不明。


【その他】

◆バーナード・ダリュース・デュランド(70歳):元軍務卿

 草の枯れ始めのような緑の髪に、深い湖のような青色の瞳をしている。

 大きな身体をしているが存在自体が大きく感じる圧力を放っている。

 若いときからバレンシオ伯爵のことを嫌っていた。

 フローラの父ロバートを軍務部へと招いたことを後悔している。

 エヴィデンシア家の祖父母とバレンシオ伯爵の因縁についてフローラたちに教えてくれた。


◆クロイツ・クルバス・バーンブラン(72歳):バーンブラン辺境伯。ブラダナの弟

 濃い灰色の髪に、薄紫色の瞳をしている。

 矍鑠かくしゃくとした姉と違い年相応の外見、杖を使っているが別に足腰が悪いわけではないらしい。

 リュートとの関わりは、彼が王都へと向かう三ヶ月ほどの間だったが、彼のことを心配している。


◆クロフォード・パーシー・カレント(32歳):カレント騎士爵。アルメリアの父。

 新政トーゴ王国と国境を接しているトライン辺境伯に仕えているが王国の騎士である。

 元パーシー男爵家の三男で、戦功で騎士爵の位を賜り、カレントの姓を頂いた。

 辺境伯と王国から俸給が出ていて、領主配下の騎士爵よりは少し裕福。

 その辺りを工面して、アルメリアの学費や王都の滞在費などに充てている。


◆冒険者シモン(30歳):クルークの試練達成者の一人。

 冒険者ギルドに登録していた冒険者の戦士。試練達成後周りのやっかみに辟易としてオルトラントから去ってしまった。


◇弓使いのアシアラ(25歳):クルークの試練達成者の一人。

 アンドゥーラと何やら貸し借りがある。オルトラントから去ったが、たまにフラリとやって来るらしい。

 サレアとは今も連絡を取り合っている模様。


◆ボーズ・キョーヨム(38歳):王都オーラス、七竜教白竜神殿の神殿長

 瞳は深緑色で、端麗な容姿をしているが、神殿長冠を外すと禿頭とくとう

 フローラ的には、それでも端麗さを損なうものでは無いとのこと。しかしグラードルには致命的なダメージを与えた。主に腹筋に……。

 ある意味、作者によるギャグシーンの犠牲者。



◇赤竜皇女ファティマ:黒竜戦争時代の英雄の一人。

 女性ながら今は無きドルク帝国の帝位継承権を得た皇女。

 最後の竜騎士といわれる、竜王の力を人の身で使うことができる存在。

 元はトーゴ王国辺境領地の領主の娘であったらしい。


◆躁竜騎士マリウス:赤竜皇女ファティマの配下、赤竜騎士団の騎士。

 ファティマの傍らにいつもあり、彼女の夫であったとも言われているが、子細不明。


◆ストラディウス:黒竜戦争末期、ブリステン魔法王国生まれで魔法奏者と呼ばれた男。


◆初代エヴィデンシア:辺境の田舎町に隠棲していた学者。

 実現はできなかったが法治国家を夢見ていたらしい。現在のオルトラントが他国よりも法務部の権限が強いのは彼のおかげ。


◇初代アンドルク:

 艶やかな黒髪に、明るい夜空のように黒みを帯びた青い瞳をした女性。

 初代エヴィデンシアの傍らにいつも控えていて、悪魔であったとも言われていたらしい。


◆ポールズ:黒竜戦争時代の作家。

 作家として多くの物語を残した。アルメリアの蔵書の中にも彼の書いた話がある。

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