第20話、勉強会しようよ!
朝にあった誤解をなんとか解くことができ
た俺だったが新たな問題に直面していた。。
『うわぁ、まじかー』
それは今日抜き打ちで行われた小テストでの事である。
『今回の小テストは来週に行われる新入生実力テストに似たような問題が出るので、あまり出来の良くなかった生徒はしっかりと勉強しておくように。』
『それでは今日の、授業はこれで終わります。』
俺は今日各授業で行われた抜き打ち小テストで、ほとんどの教科であまり良くない点数を取ってしまった。
『あちゃ〜、この点数はまずいね。』
『良くこの点数で高校受かったな。』
『唯一の救いは現代文が70点だった事だよね』
詩織、恵悟、梨沙の順番で俺に哀れみの言葉を告げてきた。
『しょ、しょうがないだろ!引っ越し作業とかであんまり勉強できてなかったんだから。』
『でも、蒼羽さんと夜桜さんはちゃんと点数取れてるけど?』
ギクッ!
『いや、それは、、』
俺は図星を突かれてしまい何も言えなくなってしまった。
実はと言うと、この高校に受かった事で安心しきってしまい、そこから一切勉強してこなかった為、今の結果になってしまったのである。
『どうしよう、勉強しようにもどこを勉強したらいいのか分かんないだよな。』
俺がそう言うと詩織がある事を提案してきた。
『よし!それじゃあ勉強会しようよ!』
『私と梨沙で教えるからさ!どうかな?』
『梨沙もいいよね?』
『うん!私は問題ないよ!丁度復習しようと思ってたし』
それは願ってもない、有難い話だ。
俺はその好意に素直に甘える事にした。
『あれ?でも恵悟は参加しないの?』
俺が疑問思っていると、恵悟がこう言ってきた。
『いや、俺は部活あるし時間合わなさそうだからな。』
『それに、悠人ほど点数悪くないしな!』
最後はちょっと嫌味を言われたが、そう言う事ならしょうがない。
という事で、詩織と梨紗による俺の為の勉強会が行われる事となった。
取り敢えずこの事は後に置いておくことして
俺達四人は昼ご飯を食べることにした。
弁当箱を開けると恵悟がある事に疑問を持ったようでこんな事を言ってくる。
『あれ?なんかお前達の弁当の中身全部一緒にじゃね?』
それもその筈である。
今日の朝、梨沙が三人分の弁当を作った為必然的に同じ弁当の中身になるわけで。
俺を含めた三人が、突然そんな事を言われて焦ってしまい固まってしまった。
『なーんか怪しいな?何か隠してる事ない?』
恵悟がかなり怪しみながら詰め寄ってきた。
ルームシェアの事は絶対にバレる訳に行かないので三人で目を合わせて、どうするかというのをアイコンタクトで会話していた。
そして三人で出した結論はこうなった。
『わぁー偶然だねー、こんな事ってあるんだー。』
『そ、そうだねー、凄いねー。』
『そうだねー取り敢えずー早く食べようよ』
『『そうしよう!そうしよう!』
そう言って俺達三人は、棒読み過ぎる会話を交わし、急いで弁当を食べ証拠隠滅を図った。
『『『ご馳走さまでした!』』』
『それじゃあ早速だけど、勉強する場所の下見でも行こうか!』
そう言って俺達三人は逃げるように教室を出た。
焦ると学力に差があっても同じ思考になるんだな。。
俺は素直に感心した。
余計怪しまれたような気がするが今は忘れる事にした。
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読んで頂きありがとうございました!!
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