第17話、Dead or Arrive
『私が、ここから助け出してあげる。』
詩織がそう言ってくれた。
『あ、ありがとう詩織』
そう言うと詩織は俺を隠すようにロッカー前で、、、着替え始めた!?
『ちょっ!詩織!』
俺は思わず声が出てしまった。
すると不審に思った女子達がこっちを振り向いてきた。
『今、詩織ちゃんの方から男子の声が聞こえて来なかった?』
着替えていた女子の一人がそんな事を言ってきた。
『そ、そうかな?外にいた男子の声が聞こえただけじゃないかな〜』
そう言って詩織は誤魔化してくれた。
『だ、だよね〜、流石にこの中に男子が隠れたりしてたら半殺しにするしかなかったよー』
(いや!怖っっっわ!バレたら、殺される!)
『あ、ははぁ、だ、だよねー』
詩織はそう言った後俺の方を見て睨んできた。
『ご、ごめん、だっていきなり着替えるから』
俺は周りに聞こえないように小声で詩織に謝った。
『当たり前でしょっ!、私も着替えないと怪しまれちゃうでしょ!』
(それもそうだな、、、)
いつまでも着替えていなかったら怪しまれてこっちに来る可能性がある。
『だからいつまでこっちを向いてないで後ろ向いてて!私だって恥ずかしいんだからっ//』
『ご、ごめん、分かった。』
そう言って俺は後ろを向いた。
後ろを向いて少しすると、後ろから服が擦れる音が聞こえてきた。
どうやら詩織が着替え始めたようだ。
(ほ、本当に、き、着替え始めたぁぁあ!)
俺は心の中で叫んだ。
いくら見えていないとはいえ、後ろで女子が着替えていると思うと凄くドキドキする。
ましてやその着替えている相手があの詩織だと思うと、もうどうしようもないくらいドキドキする。
音だけなせいで、余計に着替え姿を想像してしまう。
詩織には凄く悪いけど正直少し興奮してしまっている自分がいた。
(だって、しょうがないじゃないか俺も男の子だもん!)
などと緊張のあまり訳の分からないテンションになってしまった。
しばらくすると服の擦れる音がしなくなって背中を、トントン、と叩かれた。
俺はそれを着替え終わった合図と理解をして、詩織の方に振り返った。
そこには体操服姿の詩織がいた。
(詩織ってスタイルいいよな)
そんな事を思ってしまった。
身長も高くスラッとしていて出るとこ出ていて、普段は制服だからそんなに分からないけど、体操服だとその立派な二つの双璧がよく際立っている。
俺は固唾を飲んだ。
『どうしたの悠斗くん?』
詩織が小声で心配そうに聞いきた。
『い、いやなんでもないっ』
俺は顔を少し逸らしながら大丈夫といった。
しばらくすると女子達が着替え終わったようで詩織に、声を掛けてくる。
『詩織ちゃーん、まだ着替え終わらないの?』
『うん、まだ少し掛かるから先に行ってて』
そう言って女子達が部屋から出て行き、入口のドアが閉まる音がした。
『悠斗くん、もう出てきていいよ。』
詩織からそう言われると俺はロッカーの外へと出た。
『た、たすかったぁ!ありがとう詩織。』
俺がお礼を言うと詩織はため息を吐きながら飽きれるようにこう言った。
『はぁー、どうしてこんなとこにいたの?』
そう言ってきたので俺はここに来るまでの経緯を話す事にした。。
『はぁー、ほんっとうに男子ってバカなんだから。』
そう言って詩織は頭を抱えた。
『ご、ごめん。俺は止めようとしたんだけど、、』
『悠斗くんはそんな事しないって分かってるけど、、、、ところでさ見た?』
詩織が俺に聞いてきた。 間違いなくここに隠れている間のことを言っているんだろう。
『...............み、見てない。』
『今変な間があったんだけど』
そう言って詩織は諦めたように笑顔に戻ってこう言った。
『もう、今回だけだからね許してあげるのは』
『はい、肝に銘じておきます。。。』
そうして俺は人生で一番のピンチを乗り越えることができた。
『今度、詩織に何かお礼をしないとな』
そう思いその後、無事に身体測定を終え何事もなかったかのように自分のクラスへと戻っていった。。
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読んで頂きありがとうございました!
ここで後日談なんですがあの後クラスの男子達は結局先生にバレてしまい反省文を一人10枚書かされたのち女子達からゴミを見るような目で暫く見られていたそうです。笑
感想、アドバイスお待ちしております
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