第3話 私と同じ?

  「着いたよ、ここだ」

「...なんだよ。」

 連れられて来てみれば、私より良い家に住んでやがる。そこそこ高めのマンションだよなここ、黒い入り口の扉見てわかったわ。


「受け身の組織〝giver《ギバー》〟。まぁ組織といっても仲間内で集まってるだけなんだけど」

「ダッサ、名前..。」

センス無いサークルに勧誘されたみたいだ、パンフレットだけ貰って帰ろう


「お、新入りか⁉︎」「違う。」

「そうだよ」 「違うよ!」

「まぁそう照れんなって、こっち来い歓迎するからよ、な!」

積極的に攻めてくんなよ、私は受け身の集団だと聞いてますけども?

「俺はロック!

一応組織のリーダーだ。」

「勝手に言ってるだけだよ、身体でかいから直ぐに仕切りたがるの」

「おい、身体の大きさは関係ないだろ

リーダーシップがあるんだよ!」


なノリ、ついてけない。」

 インドアなのにマインド活発かよ、ゲームで熱くなるタイプだなコレ。

「しんどくさい、帰ろ..」


「待てって!

まだ組織の活動を説明してない!」

「...どうせサークルでしょ?」

「馬鹿にするな!

いいか、順を追って説明してやる。」


1.新参者を祝う飲み会を開き歓迎する

2.より仲を深める為にゲーム対戦。

3.その後、気になった人達で連絡先を交換し合い、徐々に距離を縮めていく


「サークルじゃん。しないよ?

茶髪にもウェーブヘアーにも。」

なんだよ祝う飲み会って?

いらないだろ、そんなもん。誰しもが祝われたいと思うなよ、組織が!

「冗談よ。説明聞いてないの?

私たちは〝攻め〟と闘っている、攻撃の能力者達とね。」

「攻め?」

 そういえば侵食がどうとか言ってたっけ。戦ってるって、相手も同類かよ

「同類じゃないよ。

むしろ逆、俺たちが盾なら向こうは矛ってカンジだろうね」

「だから打ち消しあって、決着が付かない。無謀なものだよ。」


「……!」

知らない奴らがいっぺんに話すな!

えっ〜と?整理すると..。

カラダの大きな煩いリーダーに

無駄にエロいブロンドスカシ女

根暗そうな黒パーカークール気取りに

道であった銀眼中2チックのドM。

「ロクな奴がいねぇ...。」

「要は私達には理由が無いって事、争う理由も戦う理由も。ただ巻き込まれてるだけなのよ、まぁ向こうには何か意味があるみたいなんだけどね。」


「さっきから言ってる向こうって何?侵食してくる面倒なヤツらがいる訳?

どうせまた変わり者なんでしょ!」

「攻めの組織だよ。

何処に居るかもわからない、何が目的かもわからないけど、常につかない勝負を挑まれ続けてる。」

似たような内容のドラマ深夜に見た気がする。あれが日常に?


「冗談じゃない、帰るわ!」

「いいの?

アナタも直ぐに狙われると思うけど」

「狙われてからでいい!

ここに居たらもっと嫌な目に遭う!」

黒い扉も見慣れた頃にサヨナラだ。

私に高級とか特別は向いてない。


「...どうするの?

せっかく連れてきたのにさ。」

「追い掛ける気も無い癖に」

「気にするな、どうせ直ぐ我々を頼る

皆んなそうだったろ。な?」

「.....それもそうだね」


嫌われもので目立つなんて御免だ。

心からそう思ってたけど、遅かったよだってもう、匂いが付いてたから。

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