私立黒百合学園探偵倶楽部
@kasuga_
プロローグ
長く、暗い校舎の廊下を走る。
何故、どうして、という気持ちを頭の隅におき、自身の生い立ちや今までの人生を呪い、涙を流し嗚咽を漏らしながら走っていた。
走っても走っても追ってくる「誰か」が居ない事に気付き追っ手を巻いたと安堵して一瞬腰を屈め息を整えた。
その瞬間、頭を鋭いもので殴打され、その場に膝から崩れ落ちる。
暫くすると場面は暗転。椅子に後ろ手で縛られ、身動きがとれず、今から起きるであろう事に対して恐怖に震え怯えていた。
「何故俺なんだ……。」
「あれは事故だった……。本当だ……。」
「許してくれ……。」
追ってきた「誰か」は最初は彼の言葉に耳を傾けていたが、言い訳だとわかるや否や退屈そうに、またつまらなそうに視線を逸らした。
そして椅子に縛り付けた彼の耳元で呟いた。
「 。」
あぁ。そうか。私は見ていたのだ。彼が剥がれる姿を。彼が叫ぶ姿を。かれの目に刺さる何かを。
ただただ、彼を通してでしか見ていることしか出来なかったのである。
私立黒百合学園探偵倶楽部 @kasuga_
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