"開花再生"-2


 3人での会談は結局朝までに及び、あたしと章の関係性が変化したことすら次第に溶けていくように馴染んでしまった。まるで仲の良かった幼なじみ三人が、ただ遊んでいるだけのような空間。

 もう二度と、手に入らないだろうと思っていた時間。

 もう絶対に、戻れないと思っていた場所。

 けれど、そんな毛布はまるで空から降ってきたように突然訪れたように感じるのだけれど。

 大切な手紙。

 大切な言葉。

 夢のような。

 けれど、章の手紙があって、それに答えようとする私がどこかにいて、後押ししてくれた雪帆がいて。

 だからこそ、また帰ってこられた時間。

 けれど少しだけ形は変わってしまったのだけれど。

 ようやくその輪郭を自覚した、タガの外れたような自分の気持ちが、1秒ごとに膨らんでいくのがわかる。

 けれど、章はそれを10年自覚していた。たった数時間で、コントロールが効かなくなるくらい溢れるのを自覚するのに、10年だ。その精神は想像もできない。

 勝手に思い込む悪い癖なのはわかるけれど、つい思い込んでしまう。章のことを結局は求めながらも結論拒否し続けてきたまるで子供なあたしの”罪"は、いつか償えるのだろうか。


 

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