ブログのハンドルネームは葉太、本名は葉子。主人公の葉子は高校の国語の先生です。転任先で生徒の桜子と出会います。といっても、授業中の教室から出て行ってしまうという出会い方。葉子は自分の高校時代に忘れ物をしています。過去の自分と向き合い、国語の勉強なんてする気のない生徒たちと向き合い、特に桜子と向き合わなければなりません。人生を歩んでゆくため、後ろ向きで立ち止まった状態から前に向かって一歩踏み出すお話。桜子が体の向きをかえてくれます。下剋上。
同プロットを元にそれぞれが物語を書く企画の作品なのですが。たぶん、女性教師×女子高生の組み合わせは初なのではないでしょうか(ほかにあったらごめんなさい)。読みやすい文章と切なくも軽やかな雰囲気が絶妙で、「うわっ、素敵!!」となりました。先生が先生先生してなくて(?)そこもいいのです。心と心の通い合いに、ホッとため息が出るのでした。お見事です。
どんどん続きが気になって引き込まれます!先生の悩みが描かれているのですが、授業風景や生徒とのやりとりがリアルでした。いろんな先生がいたなあと学生時代の国語の授業を思い出したり。うちも真新しい教科書に落書きしてました(笑)桜子ちゃんも先生もとっても可愛くて素敵でした!
もうお読みになりましたか?ゆあんさま企画『葉桜の君に:筆致は物語を超えるか』由来の物語る人の作品はこちらです!甘く切なく、身もだえる中盤から、力強く打ち出されたテーマのすばらしさ!うつくしいのです!もう、これにつきます!読んでください!
主人公の教師と幼馴染のエピソードと、現在進行形の物語が交差する、繊細なストーリー。恋愛に発展するのか、青春の思い出の1ページのままで終わるのか?どちらにせよ、切なさで胸がキュンキュンしそうな期待感いっぱいの良作です。