楽しく読ませて頂きました。
この企画レギュレーションから、「どうやって百合に持って行ったのだろう」という興味から読ませて頂いたのですが、特段に百合しい物語でもなかったですね。
むしろ、葉子の心の流れと変化をきめ細かく、丁寧に描いた作品だと感じました。(下世話な興味で読みに来たのが恥ずかしい 汗)
葉太を女性にするアイデア、物語の基点にあるキス、すべてを計算して作られた特段に百合を売り物にする必要もない、素敵な物語でした。
最後の一文は……作者の特権でしょう!
わたしも『紅の豚』大好きです。(笑)
作者からの返信
ありがとうございます。
最後はだいぶ迷いましたが、パクりとオマージュの境がわからなくて《笑》
企画から来ました、失礼します。
最初から最後まで、主人公の感情に揺すぶられることもありますが、穏やかな気持ちで読むことができました。
安定した文体、バランスのおかげだと思います。
何より良いな、と思ったのが、新学期の式に対する気持ちの持ち方です。最初と最後の変化が心の変化や成長に伴って表現されてて、とても気持ちが良かったです。
一点だけ誤字を見つけてしまいましたので、書かせていただきます。
>「えーっ、あの」
しとろもどろが可愛い。
→しどろもどろですよね……?
矛盾を感じる箇所もなく、理由もきっかけもスッと、溶け込んで来たのは作者様のお力だと思います。
長文失礼しました。
作者からの返信
お読みいただきありがとうございました。
しどろもどろ、本当ですねー。
何回も読み直したのに、全く気がついていませんでした(笑)
ありがとうございました。
さっそく訂正しておきます。
編集済
素晴らしかったです。
先生が女性というだけで驚愕ものなのですが、その理由もそれ以外のストーリーも一切不思議なところがない。きっちり現代のどこでも起こりうる世界をベースにして、登場人物の心情描写だけで「葉桜を君に」のレギュレーションを踏み超えています。
コスモスのハンドルにもちゃんと意味がありますね。さくらが亡くなった理由は書いてありませんが、これは亡くなったことだけが分かればストーリーに影響しません。
気になったのは桜子がさくらと似ていた理由。御作を踏まえると特に理由が書かれていませんが、横顔が似ていたということでしょうか。
そして、二回目に桜子が出てくる公園のシーン。ここで始めて桜子が金髪であると書かれていますが、それほど目立つなら最初の授業のシーンでまず言及されていた方がいいのではないかと。
まあそのあたり微細なところではあります。全体的に素晴らしい筆致でした!
作者からの返信
お読みいただきありがとうございました。
桜子の髪色の遷移は「私の髪の色が変わっても」という台詞と「3回目の授業」というところで時間の経過を表していたつもりなんですが、他にもそのような指摘をいただき、やはりちゃんと言葉にすべきだなと思いました。最初の授業では黒く、次の授業あたりで髪の色が変わっても誰も指摘もしなかったという意味のことを桜子に言わせたつもりでした。文章が色々足りないですね。
お上手だなあ、と思いました。1人称で内面と対話する形なので、心情は書きやすいと思うのですが、心情と絡めて状況や風景描写を自然に織り込んでいて凄いです。
最後の1文は、全体のバランス感からすると、ちょっと唐突で、語り手と言うより作者の顔が急に見えてきてしまうような印象を受けました。
「私と桜子のリベンジキスはどうなったかは、二人だけの秘密。」くらいに抑えてもいいかな、と思います。ただ、このあたりまでくると好みですね。
とても楽しませていただきました。ありがとうございます。
作者からの返信
お読みいただきありがとうございました。
最後の一文、やはり気になりますよね。
ちょっと取ってつけた印象だと思いますよね。
なぜなら、とってつけたからです(笑)
小説らしい書き方をすると、私の大好きな、「紅の豚」になってしまうんですよ。
——あの事件の後、たくさんの卒業生が私の元を旅立ち、私と桜子はとてもいい友達となつた。私たちのリベンジキスがどうなったかは、二人だけの秘密。
と書こうかと。
まず、発想に驚きました。葉太を女性に読み替える、これは他のどなたも無いのでは。
そして恋愛というカテゴリでなくて、とにかく大事なものはなにか、というテーマが個人的には好きでした。
筆致企画なので何か……私も未熟なので申し上げるのは遠慮されるのですが……些細なことですが、お母さんの台詞で「合格祝いに」はわざわざ付け加えないかな、と思います。あの文章だと予定はお互い承知の上で、だと思いますので。あとは、親だったら娘が裸足で出て行ったら驚くかも。
桜子は見た目とのギャップがある優しい女の子、ということでしたが、彼女が派手な格好? をする理由なんかもあったら、読んでみたいと思いました。全体として読みやすかったです。
作者からの返信
まずは、お読みいただきありがとうございました。
「合格祝いに」、やっぱり引っかかりますよね。
これまで誰も言わなかったのが不思議なくらいです。
ついに指摘されちゃったという恥ずかしさでいっぱいになります。
なぜなら、この言葉は、いくら考えてもいい言葉が浮かばずに、仕方なく親にその台詞を言わせてしまった、「やっつけ」で書いた台詞だからです。
葉子という教師が、高校生の頃のことを今まで引きずったのは、まさしくこの場面で、なぜその場ですぐに探しに行かなかったのか、それを悔やんで生きてきたとういう、この「葉桜」の一番大事な物語の根幹の場面でしたが、どうしてもいい言葉が浮かばずに、ついやっつけで書いてしまいました。
ご指摘ごもっともで、全く反論の余地もありません。
手を抜くなって話です。恥ずかしい…。
桜子の髪も、もう少し少しずつ髪が変わっていくシーンを書く予定でしたが、授業の場面があまりにも長くなり過ぎちゃうかなと思って、エイやっとカットした場所です。
はい、正直に言いますと、手を抜きました。
バレますね。
今までいくつか『葉桜の君に』を読んできましたけど、弱さを見せ合えたのも、支え合えたのも、女性同士でないとできなかったことだと思いました。
先生として学校に戻ってきた桜子を、葉桜に例えた一文がとても綺麗でした。
リベンジキスがどうなったかは、色々想像できますね。けどそれを言及するのは野暮。伏せておくことで、暖かな読後感が生まれました(#^^#)
作者からの返信
お読みいただきありがとうございました。
このお題を見たとき、男性の教師と女子高生の関係が深くなるには、彼女か昔の彼女の娘という設定は誰でもが考えつくのでは、と思ったとき、女子同士でしかありえない交流を書いてみたらと思ったのがきっかけでした。ただ、設定として正しいのかどうかだけが不安でしたが、ゆあん様が快くゴーサインをくださったので、なんとか最後まで描き切ったという感じです。
リベンジキスは……、実は「大学に通ったらお祝いに」とかの一文を後に入れようと思ったこともあったのですが、ラストシーンで挨拶でそれが桜子だという、ちょっとしたサプライズが成り立たなくなることに気がつき、断念しました。
編集済
これから書こうと思っていた作品のライト・モチーフとかぶるところがあり、しかも描写、会話ともに私などより数段上ということがわかり、ホッとしたような、残念なような(別案を練るとしましょう)。
難しいレギュレーションで、仮想の「葉太」をつくるという案も素晴らしい。
できれば、この葉太にも葉子さんの別人格としてもっと語らせてほしかったです。
特筆すべきは一つ一つの会話が分かちがたく登場人物の気持ちと結びついていて、これはそういった感性の持ち主でなければ出来ないものだと(くやしいながらも)思い知らされました。
美しい物語、だと思います。
作者からの返信
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
葉太のブログは所々でもう少し書こうかと思ったのですが、物語が長くなり過ぎるかなと心配になり、端折ってしまいました。どちらが正解かはまだわかりませんが。
編集済
此度、企画にご参加頂きまして、ありがとうございます。
実に瑞々しい作品でした。女性同士の友情とか愛情とか、そういうのが綯い交ぜになった所での交流というか繋がり、やりとり、思いやりが描かれていました。その境目に線引をしようとするから苦しんでしまうという部分に、現代の「男たるもの」「女たるもの」の教育に問題提起したくなります。
この手の作品は、作者様の感性がなければ作れないものですから、その感性は大切になさったほうが良いと思います。
その上で、感性を共有できる読者に、より共感させ、没入感を得るために、「ん?」と思わず眼が止まってしまう箇所を削減すると良いと思いました。各章にてコメントしていますが、「時間と煮詰める体力さえあればできそう」という所を整えると、より作品の魅力が引き立つと思います。感受性の高い作品ですからね。
エンディングが好きです。夏木先生がいれば、彼女の心は瑞々しいままでいられるでしょう。
書き忘れたので追記なのですが、
▶桜子、あなたは葉桜だ。
花弁のように簡単には散りはしない。しっかりと枝にたくさんの葉っぱをつけて多少の風にも落ちはしない。
今作、「葉桜」という状態にどのような意味付けをするかが問われる部分でしたので、このような形で言及してくれたことがとてもうれしく思いました。
此度、自主企画にご参加くださり、本当にありがとうございました。
作者からの返信
これまでにも、ゆあん様の企画は目にしていたのですが、今回の「葉桜の君に」という私好みのタイトルを見た瞬間に無性に書きたくなって参加してみました。
最後まで読んでいただき、素敵な感想もいただきありがとうございました。
また機会がありましたら、参加させていただこうと思います。
素晴らしかったです。同性だからこその雰囲気とやりとりなど、世界感が素敵で文章もお上手なのでぐいぐい引き込まれました。新しい「葉桜」を読めた!!
お見事です。指摘するなら、冒頭と後半の文体に多少ちがいがあるような気がします。最初は重めでだんだん軽くなるといいますか。微妙な感じ方なのですが、お上手な方なのでもっと調節できるのでは、と思いまして。内容の影響もあるとは思うのですけどね。とにかく素晴らしかった!!
作者からの返信
素敵なレビューまでありがとうございます。とてもうれしいです。
たしかに、始まりの1行目が特に少し女性にしては重いですね。見直してみます。
後半軽くしていったのは、少し意図的な部分もあって、葉子の心が解きほぐれて桜子の心とリンクしていくように会話を重ねてみました。
それを考慮しても、あきらかに1行目は違和感ですね。
ありがとうございました
桜子も葉子先生も元気でなにより。
きっと新任の生物の先生が桜子に告白したお友達ですな。
ふたりが国語の授業の話をしているのを、向かいの席からくぅーって
ハンカチを噛んで悔しがっているのが見えます。
妄想してしまいまいした。
桜子とさくらはなんの関係もなく、
本当に葉子がさくらーと泣き叫んでいただけだったのですね。
さくらがなんで亡くなったかもストーリーにはからまず。
下剋上ストーリーでシンプルなほうがよさそうですね。
命の話になると重すぎるかな。
作者からの返信
拙い物語を最後まで丁寧にお読みいただきありがとうございました。
私は基本的に重い話が苦手なので、さくらがなぜ亡くなったのか、そこはあえて書きませんでした。物語の本筋とはあまり関係ないことですので。ただ、打ち解けないまま別れてしまったことが伝わればいいかなと。
この物語は、高校生で立ち止まってしまった葉子の再生の物語を書きたかったんです。