過労で倒れました
Side 真進 ユウト
端的に言ってついに俺は過労で倒れた。
僕の死亡=人類の敗北になるので皆必死である。
カフェイン中毒になってでも頑張って戦い続けていたがどうやら無理がきたらしい。
病室の外では護衛担当兼教育係の大文字 豪さんが大声で怒鳴りちらされている。
分かったからそう言うのは離れたところでやってくれ。
胃に穴が空くわ。
このままじゃ人類救う前に過労死する。
どうにかしねえと。
とか言っている間に敵襲だよ――
☆
敵は真っ昼間の日本の首都にダイレクト降下。
市街地の戦いなので派手に戦うことはできない。
既に自衛隊が戦闘に出動しているらしい。
司令の藤堂さんからは「無茶しないでくれよ。危なくなったら逃げていい。君の死は人類の滅亡と同じなのだから」と言われ、
黒髪ショートヘアの美人オペレーターの前川さんは「バイタルは私の方で確認しておきますが出来るだけ激しい戦闘は避けてください」
と頼もしいかぎりだ。
そして大文字 豪さんも急増ながら外宇宙のテクノロジーで強化された試験機で飛んでるらしい。
まるで昔のシューティングゲームに出てきそうな赤と白の機体だ。
それが複数飛んでる。
自衛隊もただやられてばっかりと言うわけでもないらしい。
てか戦闘機飛ばせたんだ、大文字さん。
それはそうと、早く倒さないと。
今回の敵は一体だけ。
昭和版メカ○ジラ然としている。
バリアを持っていて自衛隊の攻撃が通用しない。
既に被害は都市部に及んでいて、災害救助活動しようにも敵の破壊活動のせいでできない。
「クソが!? 一体何なんだお前達は!? どうして地球に攻めてくる!? どうして町を破壊する!? どうして人を殺す!?」
僕は敵のロボットのバリアにロボットマンのバリアを纏ったパンチを思いっきりぶつける。
「だから落ち落ち寝てられないんだよ!!」
そうして一撃、二撃、三撃――と殴り続けるがバリアに阻まれる。
相手もタダやられてばかりではなく、体の各部から光線やミサイルなどを発射。
僕は空中に飛んで回避する。
そこを大文字さん率いる飛行部隊が攻撃を撃ち込んだ。
『ユウト君!! 相手の攻撃は此方でどうにか分散する。その隙に君は相手を倒してくれ!!』
と、大文字さんが言う。
試験機には光学兵器が搭載されているらしく、それを撃ち込んでいた。
僕は言われたとおりに相手の攻撃が逸れた隙に時に殴り、蹴り、時に目からの光線や胸のビームでバリアを破壊するために攻撃を加える。
そして――
『バリアが砕けた!』
オペレーターの前川さんがそう言って、藤堂司令が「全軍攻撃開始!!」と指示を飛ばす。
その場に居合わせた自衛隊の全火力が叩き込まれる。
僕も目のレーザーや胴体のビーム砲を撃ち込む。
一分も経たないウチにバラバラに砕け散った。
(戦いは終わったが――素直に喜べないな・・・・・・)
勝つには勝ったが焼け野原だ。
こんな状態が続けば侵略者ではなく、経済的に破綻して国が滅びるだろう。
いったい敵は何者なのだろうか。
(あ、く・・・・・・)
目眩がした。
まだ体が十分に休息出来てなかったらしい。
そして基地の帰投後――俺はまたも病院のベッドの上に送られた。
☆
Side 大文字 豪
「肉体的だけでなく、精神的にもストレスを?」
医務室で俺は少年の容態を女性の白井医師から聞いた。
「はい。司令にも伝えていますが――現状どうする事も出来ません。薬を処方して――」
「それではただの兵器じゃないか・・・・・・あの科学者は一体どう言う理由でこんな真似を・・・・・・」
あの子の祖父に対して俺は憤りを感じた。
全人類の命運をたった一人の子供に背負わせるなど荷が重すぎる。
遠からずのウチに戦えなくなるだろう。
そうなったら上の連中は白井女史が言う薬よりも遥かに危険な薬を投薬してでも戦わせるだろう。
それが人間と言うものだ。
どうしてあの少年でないとダメなのか――戦える人間は誰もが思うだろう。
深い事情を知ってる身からすれば尚更だ。
だが同時に理由は分かってしまう。
ロボットマンは名前はアレだがオーバーテクノロジーの塊だ。
MEと滅ぼされるよりもロボットマンの技術を巡って滅亡するなんて言う事態も考えられる。
ともかく早急に手を打たなければならないだろう。
END
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます