天使と射手という構図のうつくしさもさることながら実に読ませる文体だ。天使の襲来は神話的であざやかだ。そしてその光景は目がくらみそうになるほどに冴えている。少しテンポが早すぎるのが惜しいところで、もっともっとこの世界に浸りたい、と考えてしまうのは読者の我が儘というべきか。白いひかりの中で矢が放たれていくのは想像するだけでもたまらなくなってしまう。そしてルーナとリゼの存在、そこから彷彿とさせる百合の香りが魅惑的で幻想的であった。