第23話 二度目の乗船
要請した大統領との会見の日程が決まるまでは数日かかると予想されたのでその間に彼はキャサリンの訓練をする事にした。
そしてこの二度目の船への乗船で彼は彼女に船内の案内した。
ただ、この船がただの搭載船、つまり母船の非常時の救命船に過ぎない事は伏せていた。
一番の目的は彼女の高い重力への対応にあった。
彼女は若いだけに最初から2Gでの通常行動は可能だった。
だが3Gでは少し苦しそうな表情になり4Gともなると悲痛な表情になり5Gでは動く事は不可能だった。6Gになると息をするだけで7Gになると意識を維持する事、つまり失神しない様に努力するだけだった。そして8Gで失神した。
4Gで普通の行動が出来る様に慣れてもらう事も今回の目的である、人間の対応力は凄い。
4Gで普通の行動が出来る様になると言う事は1Gの地球ではとても迅速な行動が出来る様になり力も強い様になる、自身の能力が向上すればスーツの効果も格段に向上するのである。
二番目の目的はスーツの訓練だった。
この初期の彼にとっては不満だらけのスーツでも彼女にとっては非常な驚きだった。
前回の様に上の階の広いエリアでスーツの訓練もした。
この三日間で彼女は高いGにも少しは慣れた様だったが4Gへの対応はまだまだだった。
2Gで普通の生活が出来る程度で3G、ましてや4Gは到底無理だった。
勿論これはスーツの機能を停止していての事でスーツをそれも戦闘モードであれば8Gでも対応できた。
彼女が戦闘モードで普通の人と握手などしようものなら潰してしまう、制御がまだ完全に出来ないのだ。
彼は彼女のスーツを通常はオフにしていた、防御つまり打撃や銃撃にはオフの時にも対応するからだった。
彼女に会う前の彼は何をするにも意欲を失いかけていた、だが今はその意欲、やる気、活力が戻りつつある事を感じていた。
スーツを彼女用に改良しようと思っているし、彼女を他の脅威からも守る事も考えていた。
彼にとっては長い間無い事だった。
彼女のGに対する訓練に選ばれた目的地は冥王星だった。
1Gから始まり8Gまで行われ、目的地の冥王星を暫く鑑賞した。
当然、無重力の訓練も行われたが幸いな事に彼女が宇宙酔いになる事は無かった。
帰路に着いた、高重力への対応訓練が行われた事は言うまでもない。
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