第9話 キャサリン・ヘイウッド

約一時間半後、全ての手配が済んだのか、皆が元の席に座り始めた。

「お待たせしました、ミスター・サクライ、私は大統領秘書官のジェームズ・ミキシーです。

紹介が遅れました。貴方から頂いた情報でほぼ全員を拘束しました。

それで、先程のお話ですと証拠があるとの事でしたが提示していただけますか」

「勿論、ですが殆どは家宅捜索で証拠が見つかるでしょう、それを含めた全証拠の情報をお渡しします、ですが、ちょっと時間を下さい」

通訳を通してそう言った桜井は、先程のドアの方に椅子を回し見つめた。

釣られて全員がドアを見つめていると、突然ドアが開き若い女性がドアを開けた。

ドアを開けた女性は内部の様子に驚きノブに手を掛けたまま動きが止まり、その後、入って来た元の部屋を振り返り再度前を向いてゆっくり後退し始めた。

「ストップ、ミス・キャサリン・ヘイウッド・・・私は大統領秘書官のジェームズ・ミキシーだ、君の新たな職場はここだ」

「は・はい、秘書官殿」

まだドアの側に立っていた彼女が答えた。

「こちらに来て彼の隣に座りなさい」

「はい・・・質問をお許し下さい、彼は日本人ですか」

「そう、日本人のミスター・サクライ、君の仕事は通訳だ」

彼女は桜井の隣の席に着き桜井に日本語で挨拶した。

「こんにちは、私は キャサリン・ヘイウッドです、どうぞよろしく」

そう言ってお辞儀し椅子に座った。

「私を知っているかね、ミズ」

「はい、FBI副長官の・・・です」

「ふふふ、ミスター・サクライ、我々の様な職業の者は名前を呼ばれるのは好きじゃないのでね」

彼女が通訳し桜井に教えてくれた。

「ミズ、君の仕事はミスター・サクライの秘書だ、但し、我々との通訳は彼がする」

FBI副長官の男が桜井の右に座る男を紹介した。

「ジェレマイア・ジョンソンです、よろしく、ジェレミーと呼んで下さい」

「はい、私はキャシーと読んで下さい、それで私の役目は何ですか」

「会議以外の通訳です、ここは私が通訳しますのでのんびりしていて下さい」

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