128日目 【陰謀論】
YouTubeに陰謀論を語る男が映っていた。
アングロサクソンミッションというプロジェクト名が付けられている計画があり、それが近い将来、実行されるだろうと語っていた。
そのプロジェクトの内容をカウボーイハットを被って革のベストを着た男が床に座って壁にもたれた状態で話しているのだ。
今、まさに中国から漏れたウイルスとその男が話す内容は酷似していた。
「奴らが会議室で話しているのを聞いたんだ。それはインフルエンザに似たウイルスで、そのウイルスは中国から漏れることになっているんだ。
致死率はインフルエンザの100倍ほどあり、世界中の人々が死ぬことになる。中国はパニックに陥り、都市が封鎖されるだろうと会議で話しているのを聞いたんだ。
奴らはそんな話を笑いながらしていたよ。ほんとに信じられなかったね」
カウボーイハットを被った男の話はまさに”今、中国で起きていること”だった。しかし、その動画がアップロードされたのは10年前である。
日本のジャーナリストが10年前に日本語に翻訳して字幕をつけて動画をアップロードしたらしい。
奴らというのは”国際金融資本家たち”らしい。
いわゆる貴族やユダヤ教の人たちのことを指している。ロスチャイルド家、ロックフェラー財団、モルガンなどである。イギリス王室や企業である場合もある。
ジャーナリストの見解ではグーグルやフェースブック、マイクロソフト、JPモルガンやゴールドマン・サックスが国際金融資本家たちが資本を投入した企業なんだと云う。
新型ウイルスは確かに中国から発祥した。しかし、政府が極秘のプロジェクトを研究所で開発させていたのは事実だがウイルスが漏れた原因はチャンの失態であったはずだ。誰かの陰謀で漏れたわけではない。
ところが日本にもこの新型ウイルスが入ってきた頃に他の国の医療関係に従事する者が発表したところによると新型ウイルスは二種類あるそうだ。
漏れたウイルスは二種類あり、一つは症状が出にくく軽症に留まるのだという。そして、もう一つは人から人へ感染し、人体に侵入してから変異するウイルスなのだそうだ。
新型ウイルスAと新型ウイルスBである。新型ウイルスBに感染した患者は重篤になり死亡リスクが高いという。
チャンは新型ウイルスに感染したが軽症ですぐに治っている。しかし、1人の人間に二種類の新型ウイルスが感染したというのは考えにくい・・・・。
漏れたウイルスは一種類であるはずなのだ。謎は深まるばかりである。
米国の大統領は報道陣の前で言った。
「中国は生物兵器の研究をしていた。そして、中国の研究所からこの新型ウイルスは漏れたのだ」と。
世界中で新型ウイルスの感染が拡がりはじめ、世界各国が対策に追われている中で米国の大統領は怒りが爆発したようだ。
同じくイギリスやフランスでも中国に対する大統領の発言は厳しくなっていた。
もしこれが誰かの陰謀であるとするならば、研究所の研究員が感染したという情報を聞きつけた外部の人間が新型ウイルスBを街にバラまいたという可能性が考えられる。
もしこれが10年前に考えられたミッションであるとするならば、それは起こるべくして起こったパンデミックである。
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