64日目 【渡航】

中国では「新型ウイルスの感染が拡大している」という報道が連日行われるようになり、既に海外でも新型ウイルスの感染者が続出した。そして、死亡者も徐々に増えはじめている。


世界中のあちこちで新型ウイルスの感染者がみつかって、街中がパニックになっている。

とくにヨーロッパやアメリカでは爆発的に感染者が増えているようだ。


アジア圏の感染と明らかに違った感染の拡大である。これはヨーロッパやアメリカの文化が深く関係しているのかもしれない。

挨拶で握手をする。親しい友人であればハグをする。ほっぺに軽いキスをする。もしかしたらそれらが感染を拡大させてしまった原因の1つになっている可能性があるのではないだろうか。


他の要因としては「乾燥している」「寒い」が挙げられる。アジア圏のように湿度が高くなく空気の質量は軽い。空気感染は湿度が低いほうがしやすくなる。


ヨーロッパやアメリカでは既に中国からの渡航制限がかけられていた。中国の国内で行われた対策には限界があり、いくらバリケードで行動を抑えようとも無自覚なまま感染を拡大させて渡航している人はいくらでもいるのだ。


旅行者や出稼ぎ、出張など、長い移動距離であればあるほど、道行く人々とすれ違い新型ウイルスへ感染させてしまっているのである。


インドや韓国でも渡航制限がかけられるというウワサが出ている。

やがて日本でも渡航制限がかかるだろう。


それは中国だけではなく他の国に対しても同じ措置である。自国民を守るために他国からのウイルスの侵入を防ぐということだ。


ヨーロッパの国々では大統領が大々的に対策を発表している。アメリカでも同じで大統領が対策を発表した。


WHO(世界保健機関)は「マスクなど無意味だ」と発言したが冬になればマスクをしてインフルエンザの予防を心がけている日本ではマスクをしている人は多い。

他国ではそういった習慣に馴染みがないためにWHOの発言をそのまま信じてしまっている。


世界中で新型ウイルスの報道が一斉にされはじめ、いよいよこれはスペイン風邪から100年後に流行るパンデミック(流行病)か?と騒がれ始めていた。


100年前に流行ったスペイン風邪は、その当時、世界の人口が30億人ほどだった地球で4人に1人が感染したと云われている。

第一次世界大戦時に中立国だったスペインで大流行した。しかし、その発祥したウイルスがどこから来たのかは謎のままである。


陰謀論によれば、あれも生物兵器だったという話が持ち上がっている。


中国の研究所で第一感染者となったチャンは海外に渡航して完全に消息を絶った。

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